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では、読む価値がまったくないかと言えばそうではない。「罪と罰」はほぼ同時期に書かれました。あるレビュアーの人は殺人をテーマにする物語なら敢えてこんな長編を読む必要がないと評されました。一理あります。私だって「罪と罰」を読むのに登場人物があまりに多いので目録を作って読んだほどですから。
しかし、昨今の話題作を読んで代替になるかなんですよね。モーパッサンにせよドストエフスキーにせよ。そこが今日まで読み継がれている名著たるゆえんなのではないでしょうか。手早く効率と成果を求めるのなら流行本でいいわけです。しかし、物語の深さといいますか味わいを求めたいのなら、こうした古典文学を読まれたほうが収穫が得られます。
本書をじっくりと読む時間は、あまりにせちがらい浮き世を忘れさせてくれることでしょう。
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