本書は、スラッシュ小説という分類の女性向けロマンス小説(そこではたいてい男の主人公が男に恋をする)を通して、女性の心理や行動の傾向を探ろうとするものである。本書は「進化論の現代」というシリーズの一部なので、いかにして女性はスラッシュ小説などというものを好むように進化したのか、そこにどのような進化的意味があるのか、という視点で論じられる。男同士の恋においてはお互いが対等であり、また肉体よりも心的なつながりに重点が置かれ、そのため一つひとつの関係が長続きする、などという視点から、意識するしないにかかわらず、女性がどのような恋愛を理想としているのか、どのような行動をとる傾向があるのかが推察される。
頁数が少なく論点も明解。女性の配偶心理、そしてその奥にある進化的意味について興味のある人には一読の価値があると思う。