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女ぎらい――ニッポンのミソジニー
 
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女ぎらい――ニッポンのミソジニー [単行本(ソフトカバー)]

上野 千鶴子
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

男の「女ぎらい」と女の「生きづらさ」を解剖する!
わたしの中の〈女〉が嫌い?  女好きの男は、実は女ぎらい?

ミソジニー。男にとっては「女性嫌悪」、女にとっては「自己嫌悪」。――「皇室」から「婚活」「負け犬」「DV」「モテ」「少年愛」「自傷」「援交」「東電OL」「秋葉原事件」まで…。上野千鶴子が、男社会の宿痾を衝く。

ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

◆『朝日新聞』読書欄(2010/11/14付)、『日本経済新聞』書評(11/7付)、共同通信配信書評(11/7付)、『週刊文春』書評(11/25号)、『週刊読書人』書評(11/19付)、『サンデー毎日』特集記事(11/28号)、『婦人公論』(12/22-1/7号) 「ルポルタージュ 時代を創る女たち:上野千鶴子」、日経ビジネスオンライン書評(12/13)、サイゾーウーマン(『女ぎらい』著者インタビュー)、『読売新聞』(2011/3/4夕刊)「松任谷由実プレミア対談 yumiyoriな話http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/yumiyori/20110304-OYT8T00678.htm、『週刊ポスト』書評(4/8号)、Inter FM「ラジオデイズ~ラジオの街で逢いましょう」(4/10)等で紹介!

<本文より>
社会学者という職業を、ときどき因業だと思うことがある。自分にとって気持ちのよいもの、美しいもの、心温まるものではなく、むしろ不快なもの、むかつくもの、許しがたいものを対象に選び、なぜそうなるのか、その謎を理解しようとしてしまう執念に取り憑かれるからだ。
書き手にとってと同様、本書は多くの読者にとって、女にとっても男にとっても――とりわけ男にとって――不愉快な読書経験をもたらすだろう。なぜならそれは多くの男女が目をそむけていたいことがらのひとつだからだ。
(あとがき)

内容(「BOOK」データベースより)

ミソジニー。男にとっては「女性嫌悪」、女にとっては「自己嫌悪」。「皇室」から「婚活」「負け犬」「DV」「モテ」「少年愛」「自傷」「援交」「東電OL」「秋葉原事件」まで…。上野千鶴子が男社会の宿痾を衝く。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 288ページ
  • 出版社: 紀伊國屋書店 (2010/10/6)
  • 言語 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 431401069X
  • ISBN-13: 978-4314010696
  • 発売日: 2010/10/6
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (24件のカスタマーレビュー)
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119 人中、105人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
上野 千鶴子の近刊 ニッポンのミソジニーを読みました。強い衝撃で近頃読んだどんな本よりも圧倒されました。最近の上野千鶴子は老いとその生き方をテーマに取り上げている傾向があると思っていましたが、本書では、著者本来のテーマである、ジェンター・フェミニズムを正面から取り上げています。社会学者は本書では「ミソジニー」と、「ホモソーシャル」という用語で性的二元性かなる現代社会のしくみを明快に論じています。

男達が性的関係を含まない集団「ホモソーシャル」を形成してそのなかでの自分達だけの世界を作り上げ、「おぬし、できるな」とお互いに認め合って連帯し、そのなかでランク付けをします。それのグループに意図的に入らないか、脱落せざるを得なかった残りの男や、全ての女達はグループから排除されます。それでも、排除した女達と性的関係を結ばざるを得ないたの自己矛盾から、男は「女性嫌悪」に陥ります。一方、女達はある年代から、自分が男である「主体」ではなく、男によって評価を受ける「客体」としての存在である女に属していることを、思い知らされ、「自己嫌悪」に陥ります。

本書の最終部分「ミソジニーは超えられるか」で、上野は「自分自身はミソジニーからは完全に自由だが、周囲の社会がそうでないから社会変革のために闘う人がいるとしたら、フェミニズムはもはや「自己解放の思想」ではなく、「社会変革の」ツールになるだけで、正義の押しつけであろう。ミソジニーはそれを知っている人からしか判定されないためである。」と論じています。私が永年抱えてきた疑問が、これでやっと氷解しました。フェミニズム=ジェンダー論とは男女を問わず自分と正しく認識して、性別やそれに伴って自明とされてきた多くの社会的桎梏から自分を解放していくための武器だったのです。
著者は男に対しても「ミソジニーを超える方法はたったひとつしかない。身体と身体性の支配者=主体者であることを止めることだ。そして身体性につながる性、妊娠、出産、子育てを女の領域と見なすのをやめることだ。」と応援し、方向を示します。

数10年前の高校生代、精神的な面でも先頭を行っていた級友の女性徒達が、次第に男に媚び、関心を持ってもらうよう変わっていく様をみて、「良妻賢母への道をあきらめて受け入れずにもう一度闘ってみること」という文を書いたことがありました。そのころからのリブ、フェミニズム、ジェンダー論は関心を持って接してきました。

でも、この本は自分でも意識していないか、あるいは考えくないため無意識に避けていた、自分のなかの深淵にある醜い欲望やミゾジニーを、白日のもとに引き出して見せてくれます。あるいは自分で引き出す手助けをしてくれます。その結果、自分の拠り所としてきたものを捨てる必要が生じるかもしれません。恐ろしい本でした。
私は理系に属していますが、社会科学の本当の凄さに思いしらされました。一回では全貌を理解できませんので、再読して「ミソジニーやホモソーシャル」である、自分の深部まで降りてみたいと考えました。 
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106 人中、93人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By お気に召すまま トップ1000レビュアー
「女ぎらい=ミソジニー」と題されているが、著者は「ミソジニーの男には、女好きが多い」と言う(p7)。奇妙な逆説に見えるが、そうではない。きわめて包括的な「女性蔑視」が、「ミソジニー」の本質である。というのも、「いい女や美しい女をものにした男」は、何よりも男の集団の中で高い評価を得るからであり、女はもともと男たちが評価を競う「獲物」という低い位置にあるからだ。「いい女や美しい女」であることは、それ自体において、あるいは女自身にとって価値があるというよりも、そういう女は「男に選ばれる」からこそ、女自身も自分が「いい女や美しい女」でありたいと望む。つまり、女自身の欲望は、男の欲望に合わせて形成される。そうなる理由は、男が権力と金を握る男性優位の社会がある以上、強い男や裕福な男に選ばれた女が、それだけ幸福になるからである(「女は金についてくる」=ホリエモン)。いや、そんなことはない、高い地位と経済力をもつキャリアウーマンもいるじゃないかと思う人もいるだろう。だが、キャリアウーマンであっても、男に選ばれない女は、「女として幸福ではない、かわいそうな女」という評価を男から受ける。女は男に選ばれてこそ女なのだ。女は「選ばれる対象」という受動的な位置に置かれているので、男はどこかで女を自分より一段低いものと考えている。これが「ミソジニー=女性蔑視」の本質であり、また、たとえ男に選ばれた「いい女」であっても、男の欲望に従属して自分の幸福があることに「自己嫌悪」を覚えないわけにはいかない。現代もまた、娘が父親の贈与と交換の対象であった時代(レヴィ=ストロース)とあまり変らないではないか、と。こうしたミソジニー=ホモソーシャル=ホモフォビアの三位一体化図式は、アメリカの社会学者セジウィックに由来するが、著者は、日本の時事的問題にも光を当てる。売春や援助交際をめぐる宮台真司批判、男性と女性で評価の異なる東電OL事件、中村うさぎがなぜ女性に人気があるかなど、冴えた分析が光る。
このレビューは参考になりましたか?
101 人中、87人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
以前から、大抵の男性は、女嫌いなんじゃないか、と、うすうす思っていた。
会社の男性達は、できれば男ばかりでやりたいんだろうなあと折に触れ思わされること。
いい年のオジサマ達でさえ男同士、しかもなるべく同質な属性の仲間でいるとき
少女のようにのぼせた顔でキャッキャはしゃいでいること。
男性の友人が結婚して妻子持ちになると、急にエスタブリッシュになってしまうこと。
「世の馬鹿な女ども」を罵るネット上の呪詛。
なぜ男性は女を馬鹿にしつつ、女と付き合ったり結婚したりするんだろう?
女性たちはそんな現実をどう思ってるの?

「ホモソーシャルはミソジニーによって成り立ち、ホモフォビアによって維持される」
この公式で、もやもやが整理された。
男達の連帯は、男ではないもの(女子供と同性愛者)を差別し排除することで成立する。
男は男社会の中で承認されるための要件として少なくともひとりの女を所有する必要があるのだ、と。
たちの悪いことに、ミソジニーは女性の中にも内包されていて、これがまたしんどい。

でもこれを突き詰めて考えるのは実に恐ろしいことだ。
父母や夫、子供、友人。もちろん自分自身。
身近な存在の中のミソジニーを認識するのはつらい。気づかないふりをして逃げてしまいたい。
でももやもやに気づいたからには、考えずには居られない。
女性ももちろんだけど、男性にもぜひ読んでほしい。誰にとってもひとごとではないと思う。
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