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この本は彼女の初の著作であるが、内容は
ピンク映画業界で今の地位を築くまでのさまざまな苦労、
自主制作映画を企画・撮影していく上での紆余曲折、
その過程を通して出会ったいろいろな人たちとの交流、
それが発展し海外の映画祭で各国の女性映画監督と交流が生まれ、
今後の日本映画界で彼女自身がどうあるべきかを、
撮影にかけるエネルギー同様に逞しく綴られている。
とにかく彼女の映画と真摯に向き合ってきたその情熱に、
圧倒される。映画制作の現場に女性のスタッフなど考えられない時代に、
映画監督になりたい一心だけで激しいセクハラやいじめに耐え抜き、
努力を重ね、ついに自分のプロダクションを設立する。
その後も精力的に映画を撮影し、男性ピンク映画監督に
「ピンクを駄目にした極悪人」と言われても、それと闘うかのごとく
ひたすら独自の視点で映画を製作していく。
そのスタイルは自主制作映画の場面においても同様で、知識階級と
言われる人からの嫌がらせにも、彼女は猛然と立ち向かう。
その情熱は、一体どこから生まれるのか?
「好きなことをやっているから」というような生半可な言葉では、
とても理解できないし、また彼女自身にも笑われるであろう。
こんなに真面目に、真摯に映画に取り組んでいる監督がいることに、
衝撃を受ける。
内容を考えればそう大勢の人達に受け入れられるものじゃないので、
星4つかもしれないが、
ピンク時代からの彼女にレスペクトを込めて、星5つ。
現在ではピンク映画に女性スタッフも多いし、映画監督を目指して
海外で勉強している女性も沢山いるけれど、浜野佐知という偉大な
女性映画監督が、道を作ったことを忘れてはいけない。
彼女の名前は知らなくても、映画監督を志望している女性は、
この本を読むだろう。またピンク時代から彼女を知っている人、
自主制作映画で彼女を知った人とかも、読むかもしれない。
それぞれがそれぞれの思いを持って、この本を手に取るだろうが、
できれば彼女の名前は知らなくても、映画業界志望じゃなくても、
いわゆる男社会の中で闘っている人は、読んでください。
彼女が自主制作映画を通していろいろな人たちと出会ったように、
この本を通して彼女と出会う人が沢山いることを、願います。
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