内容紹介
東京、埼玉、山梨、長野の一都三県にまたがる雄大な山塊、奥秩父。 「日本百名山」のうち、金峰山、瑞牆山、甲武信岳、両神山、雲取山、大菩薩嶺の六つを数え、荒川、千曲川(信濃川)、笛吹川(富士川)、多摩川を生み出す水源の山でもある。山域全体を原生林が覆い、山肌には深い谷が刻まれ、日本独特の重厚な雰囲気を醸し出している。 本書は、奥秩父に四〇年以上も通い、この山脈に深い愛情を持つ著者の視点で奥秩父の魅力を新たに見つめなおすとともに、山腹にいまもかすかに息づく仕事道、かつて山に暮らした人々の光芒、古い歴史を持つ峠道、山小屋を守る人たちなど、開発や林業の衰退などによって大きく変わった一方、何ひとつ変わらないものもたくさんある奥秩父の全貌を紹介。 山の専門誌「岳人」に連載したものを大幅に加筆してまとめた。
著者について
1954年東京都武蔵野市に生まれる。小学校五年生のとき、友人と御岳山から大岳山を往復したのが自力による初登山。以降、奥多摩、丹沢、大菩薩そして奥秩父に足繁く通う。中学生になってから奥秩父で積雪期登山、沢登りなども始め、その魅力にとりつかれる。以降、南北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳、谷川岳をはじめネパールヒマラヤ、天山、パミール、アンデス、アフリカなど多くの山を歩いたあと、奥秩父をホームグラウンドとして峠越え、廃道・森林巡視路探しを行う。社会人山岳会入会の頃から荒川水系の谷を連続で溯下降し、ほぼすべての沢を踏破。1996年から山岳ガイドとして活動し、山岳ガイド「風の谷」主宰。著書に『山は真剣勝負』(東京新聞2006)、登山技術全書2『縦走登山』(山と溪谷社2005)など。