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奔馬―豊饒の海・第二巻 (新潮文庫)
 
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奔馬―豊饒の海・第二巻 (新潮文庫) [ペーパーバック]

三島 由紀夫
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (36件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

Runaway Horses, the second book of Mishima’s masterpiecetetralogy, The Sea of Fertility, is a novel about the roots and nature of Japanese fanaticism in the years that led to war. Set in the 1930’s, its driven hero is Isao  young, engaging, and becoming a patriot-fanatic. Possessed by the samurai ideal, he organizes a violent plot against the new industrialists who are pre-empting the power that must, he believes, remain vested in the Emperor lest the integrity of Japan be destroyed. In the excitement of the ensuing trial, in its stunning climax and fateful aftermath, the Japanese mode of total commitment  a commitment reflecting Mishima’s own- is made felt and understandable. It is the triumph of Runaway Horses to encompass both the particulars of an era and a resonance of the age-old, classic spirit of Japan. --このテキストは、 単行本(ソフトカバー) 版に関連付けられています。

著者について

Yukio Mishima, three decades after his death, remains the subject of strong international fascination, both for his political fervor and for his exquisitely crafted writing. He was born in Tokyo in 1925 and educated at the Peer’s School, where he received a special commendation from the Emperor of Japan. He completed his first novel during his first year at the University of Tokyo and went on to a prolific, internationally acclaimed career as novelist, playwright, short story writer, and poet. In a gesture whose political consequences reverberate to this day, he ended his life by seppuku in 1970. --このテキストは、 単行本(ソフトカバー) 版に関連付けられています。

登録情報

  • ペーパーバック: 515ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (2002/12)
  • 言語 日本語, 日本語, 日本語
  • ISBN-10: 4101050228
  • ISBN-13: 978-4101050225
  • 発売日: 2002/12
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (36件のカスタマーレビュー)
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形式:ペーパーバック
西洋における「主」(キリスト教の神)の様なものを、
日本の三島は「天皇」に求めた、と言う説がある。
信仰というよりも、崇拝の対象、全的に自分を捧げられる何かとして。

『春の雪』の清顕の転生である勲は、
まさに中世西洋の純朴な少年基教僧の「主」に対するが如く、ひたすらに、
「陛下」に憧れ、「陛下」のために死ぬことを夢見る少年剣士として登場する。

そして注目したいのは、この作品で三島が勲に使わせている「陛下」と言う言葉。

例の、三島的な、いわば人間としての「陛下」ではなく、
神の代理、美の象徴、絶対的奉仕(という美)の対象としての「陛下」であって、
勲はあくまで「陛下」と言う「美」に突っ走って夭折する。
まさに、日本精神の象徴としての「陛下」に憧れ、
(詩人の、芸術家の、武士の)夭折に憧れた三島の、
或る意味では、分身とも言える少年であり、
読んでいて、実に激しい、痛々しささえ伝わってくる凄まじい作品である。

後半生の三島は「美」を振り回すことや、自己のかつての詩人性を恥じたと言う。
しかし、遂に三島は、その数々の小説作品でも、エッセイでも、対談でも、死ぬまで、
「美」を振り回さずにはいられなかった人であり、その文体・表現の美しさ、
言葉の選択のシビアさ・的確さは、彼の枯れることない詩藻・詩人性から横溢したものであったろう。

あらゆる意味で「三島的」なこの作品を、
多くの三島ファン、文学ファンにおススメしたい。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:ペーパーバック
三島作品において共通で言えることは、
全てにおいて無垢で純粋であるということ。
でも決して綺麗事だけを飾り立てている訳ではなく、
激情も鬱屈した感情も狂気も、ただ全ての根源が純粋であるという事に尽きます。

【豊饒の海】の第2部です。
シリーズとしての【豊饒の海】も大好きですが、
この2部【奔馬】がずば抜けて一番だと思うのです。

簡単に言うてしまうと、腐敗した政治と疲弊した社会を改革するために暗躍する少年の話。
今で言うとこの、右翼テロ的な。
思想そのものはバリバリに右寄りで、特別共感できるものではないんですが、
人が強い思想を持った時に何を感じて何を行動するか、
何を信じて何を目標とし、最終的に何を望むのか。

その掛け値なしの純粋な情熱と思想に、ものすごい衝撃を受けました。
思想を持って生きて、思想のために死んでいくことは、
思想なくして生きていくよりもずっと幸せな事だと思えます。
やっぱり魂が生きてこそ、人は生きていて、
思想なくして、生きていくことはできないと思うのです。
その全てを証明が、最後の一行に集約されていたりして…。
ほんま天才!
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:ペーパーバック
『春の雪』の手弱女ぶりから一転しての益荒男ぶりである。
積もることのないはかない春の雪に対して、荒々しいまでの奔馬。
前作で、清顕が眺めるばかりであった剣の道に励む男たち。
本作はその、『同化できない』と眺められていた男が主人公である。
’豊饒の海’は四季を表しており、勲はまさしく夏にふさわしい若者だ。

後半で、本多が判事の仕事について思いを巡らせる箇所などは
裁判員制度が始まる現在、もっと人口に膾炙すべき名文である。
新潮文庫P.383の後ろ6行目〜3行目。
もし自分が裁判員に当たった時、この4行を肝に銘じて臨みたいと思っている。

この煮えたぎる熱を持つ小説中、一か所だけ冷水を浴びせかけられたのようにぞっとした
箇所が、軍人下宿を営んでいた北崎老人の法廷での証言の所であった。
読んでいて非常に怖かった・・・。

この本が書かれてから40年が経とうとしているが、三島由紀夫の血潮、
その熱が身に降りかかってくるかのようである。
何回も読みこみ、時を経てまた読みふけり・・・。
一生つきあっていきたい作家である。
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投稿日: 2010/4/29 投稿者: cafe_r
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