奈良公園のシカは春日大社で大切に飼われているわけではない!
あれほど人間の近くで、時にはおじぎをして鹿せんべいをねだり、のんびりと草を食んでいるのに。信じられない。あれらは野生のシカだったのか!人間の方がシカのテリトリーで観光しているのか!
びっくりしました。そして、表紙のシカの表情にも、納得しました。
「オレたちはケダモノだ」とちょっと乱暴な口調のシカ語りがユーモラスでもあり、楽しく読めます。しかも、内容は奈良の歴史や人間の心に及び、考えさせられることも多々。
「南円堂で振り返って五重塔を見てはいけない」うんうん、いつも振り返ってしまう私は、反省させられました(笑)。待ち合わせスポットの噴水に立っておられるお坊さんは誰か、勉強にもなりますね。
見出しの下に影絵のシカがうすく刷られているなど、芸も細かいし、4コマ漫画もおもしろ可愛い(なめるな!と言われそうですが)です。簡単なマップもついています。
奈良の鹿愛護会に、剥製になった「シロちゃん」に会いに行くのもいいでしょう。私は一度、生前に見たことがあります。子供を亡くして悲しかった頃だったかと思うと、胸が痛みます。
遠足で、修学旅行で、お寺めぐりで、奈良公園を訪ねる全ての人におすすめします。読んでおけば誤ってシカに泣かされることもなくなります。
そして出来るなら、この本は借りずに買いましょう。そのわけも読めばわかります。