- 【 講談社ストアはこちら 】 - 西尾維新最新作『恋物語』やAKB48の『指原莉乃1stフォトブック』など今人気のタイトルや特集は講談社ストアへ。
登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
24 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
本人が多くを語らない以上「絵」の力を伝えるにはこの構成しかないのはわかるのだが,
By
レビュー対象商品: 奇蹟の画家 (単行本)
オビに「清貧の画家石井一男に救われた人びと」とあるとおり、この作品は画家の人生を追ったものではなく、石井一男の描く「絵」に救いを感じたり魅入られたりした市井の人々を著者が訪ね歩くという構成になっている。そして、後藤正治も「絵」に魅入られた一人である。後藤正治は、対象とする人物がどうしても触れて欲しくないというようなことは、敢えて聴かない作家である。触れて欲しくないということは、逆に言えば読者あるいは著者が非常に興味を持つことであるはずだが、著者はそこに触れなかったり、それ以上突っ込まないことが多い。 普通、そういったノンフィクションは物足りなかったりするはずなのだが、彼の場合そうはならない。全てが読み応えのある作品に仕上がっている。 後藤正治は優れた書き手である以前に優れた聴き手であり、取材も自分が主導権を握るのではなく、相手が自ら話し出すきっかけを探っていくというやり方をしている。この方法だと取材に非常に時間がかかるはずだが、そうして相手から発せられた言葉は生きたものになり、作品は地味でも非常に深みの読み応えのあるものとなる。そして、多少の突っ込み不足は関係ないものとなってしまうのである。 この作品における著者もやはり優れた聴き手である。49歳になるまでどこにも作品を発表しない石井一男は、シャイで非常に無口な人物であるが、著者は彼に饒舌に話してもらおうとはしていない。よって、この作品において、石井の考えといったものは殆んど描かれず、また、著者も彼の思いを代弁することは殆んどない。その一方で、作品の魅入られた人々はそれぞれの思いを過不足なく語っている。 あとがきで「ノンフィクションとは、対象を解きほぐしたいという渇望に導かれてあるものであるが、本書の場合、そのベクトルは少し違っていた。解くのではなく、より深く感受したいという希求であったように思える。それには、度合いと意味合いは異なれどこの作家の作品に感応した人々の足跡をたどることによって味わえるように思いこのような構成の物語となった。」と記している。 確かにそのとおりであり、「絵」の力を伝えるにはこの手法しかないとは思うが、絵に感応した市井の人々の足跡ばかりを読んでいると、著者の作品を読んで初めて「物足りない」という言葉が頭をよぎってしまった。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
奇蹟の画家の話というよりは,,,,
By 田園パパ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 奇蹟の画家 (単行本)
画家の話というよりは,画家を取り巻く人々のお話といった方が正確です。知りたくてもなかなか知ることができない画家石井一男についてどのくらい書いてあるかと 思いましたが,全体の15%程度でしょうか。周囲の人を知ると画家の素顔が見えてくる かというと,そういう書き方ではないので,読んでいて結構フラストレーションが 溜まります。周囲の人々の話の中には,確かにいい話もあります。しかし,これらは 本にして公開するよりは,その人の心の中に大切にしまっておいた方がいいような話 なのではないかと思ってしまいます。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
石井一男とその絵,
By
レビュー対象商品: 奇蹟の画家 (単行本)
キーワードは孤独。隠者。沈黙。脱俗。判で押したような一日。肌合い。ウマが合う。良きもの。石井一男は、ある時無垢な赤ちゃんの笑顔、慈愛に満ちた母親の顔に出会ったのがきっかけとなって「目の前に閃光が走った。ふだん、普通に見なれた風景がそしてゴミのようなものまでが美しく光り輝いて見えた」という体験をしている。 納棺夫日記(映画おくりびと)の青木新門も同様の微光の体験をしている。 石井一男は絵、青木新門は文字と媒体は異なるが表現したかったことは同じであろう。 私の受けた印象は極めてよく似ている。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー |
|
|
|