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奇蹟―中上健次選集〈7〉 (小学館文庫)
 
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奇蹟―中上健次選集〈7〉 (小学館文庫) [文庫]

中上 健次
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

花が咲き、小鳥が群れ集う紀州・新宮の路地。高貴にして澱んだ中本の血を引く極道タイチは、輝ける生の盛りに凄惨な死を遂げる。歌舞音曲に淫蕩をかき立てられる一統の血に、代々つきまとう若死にの宿業。唯一人"闘いの性"に生まれついた七代の末裔タイチの死は、路地千年の痛苦を癒やす最後の牲となるうるのか。老産婆オリュウノオバとアル中のトモノオジが、慈愛と悔恨の中に語る美しき荒くれたちの短く烈しい生涯。解説・小森陽一。

内容(「BOOK」データベースより)

夏芙蓉の花が咲き、金色の小鳥が群れ集う紀州・新宮の路地―。高貴にして澱んだ中本の血を引く極道タイチは、輝ける生の盛りに凄惨な死を遂げる。歌舞音曲に淫蕩をかき立てられる一統の血に、代々つきまとう若死にの宿業。唯一人“闘いの性”に生まれついた七代の末裔タイチの死は、路地千年の痛苦を癒やす最後の牲となりうるのか。老産婆オリュウノオバとアル中のトモノオジが、慈愛と悔恨の中に語りだす美しき荒くれたちの短く烈しい生涯。『千年の愉楽』と並び立つ路地物語の最高傑作。

登録情報

  • 文庫: 475ページ
  • 出版社: 小学館 (1999/08)
  • ISBN-10: 4094026177
  • ISBN-13: 978-4094026177
  • 発売日: 1999/08
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 556,226位 (本のベストセラーを見る)
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
これは、日本人が初めてドストエフスキーの背中を捉えた記録でもある。
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1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
中上健次は「本物」の純文学作家だった。被差別部落に生まれ、自らの根源を「路地」と呼び、その世界を徹底的に掘り下げ、陳腐な表現だが、-魂の叫び-が作品から聞こえる。逃れようとも逃れられない血。宿命。その定めの中で中上健次は猛獣のごとく叫び続けた。
本作にはその叫びが満ち溢れている。
本物である事。それはこの作品を読めばすべてわかる。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
凄まじい物語 2009/6/20
形式:文庫
久しぶりに一週間出張に出た際に、ビジネスホテルで深夜に読み返してみた。たまたま立ち寄った書店で小学館の文庫版を見つけたのだ。

優れた小説はどんなものも喜劇的であり、かつ陰惨である。楽しけりゃよい、読みやすさが一番などと言っている「小説好き」の御仁は、実は小説などを必要としない人種なのだ。その意味はいまさら書かない。

20世紀で一番面白い小説であろうジョイスの『ユリシーズ』は、極め付きの喜劇であって、なおかつ陰険惨めで絶望的な作品だ。言語の機能を極めたというもうひとつのラジカルな面は措いていおいても。
「読んで元気なる小説」とは、焼け後のマリアとか泥沼のなかでもがきながら生きるということの中にある。

中上健次はいまでこそ多くの批判や揶揄めいた評価も目に付くが、おそらく戦後最大の泥沼を生きた作家であったろう。それは彼の実人生だけのことではない。決して。
チェリスト、ジャクリーヌ・ドュプレの実人生が悲劇的であり、陰惨であったこととは別に、彼女のエルガーのコンチェルトが陰惨であるように。芸術表現の栄光は、陰惨のうちにこそあろう。それをリアリズムと言うとドストエフスキーはエッセイに書いていた。自分はリアリストであると。お気楽暢気には、芸術の神は宿り得まい。

本作『奇蹟』はそれはそれは凄まじい物語である。
おそらくフォークナーの『サンクチュアリ』や『響きと怒り』に迫り、ドストエフスキーの背中を捉えんとした小説ではないか??
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