ページを開いて、まず驚くのは、「字でか!!」ということでしょう。
まあ、これは最近の文庫一般に言える事なのでしょうが。
老眼気味の目には悪くないです。サクサク読めますし。
内容は、雪風について手堅くまとめてある佳い一冊、というところでしょうか。
類書も多いところですが、特に、この本は、雪風をめぐる人間模様に焦点を当てて
ヒューマンな読み物に仕上げているところがポイントと思われます。
戦記ものとしても、手堅い仕上げであり、細かい点を巧みに省き、大事な話をきちんと扱います。
その感じは、昔の少年向き太平洋戦争本の如し。
壮烈!水雷戦隊―夜戦の王者 (写真で見る太平洋戦争 7)みたいな。
極度にディーティールにこだわらない分、読み物としては読みやすく、一読で雪風について了解できます。
ただ、表現は結構アッサリですので、神宿る駆逐艦、雪風について、手に汗握るカタルシスが得られるか、
と言えば正直難しいかもしれません。
この本にも登場する田口航海長をメインキャラに据えた、
戦闘航海 (歴史群像コミックス)なる漫画の雪風のほうが、正直、駆逐艦な人には魅力的だったりしまので、
漫画と侮らず、是非読んでみていただきたかったりします。