日本列島に生まれたこと、そしてこの素晴らしい大衆社会を形作った御先祖様に改めて感謝したい。
そう思える楽しい日本史。
裏から見た日本史。物事の解釈を逆さまにした日本史。知的エリートと大衆の格差が少ない幸せな日本史。
この本はそういう本です。
日本の国土の恵み、外敵から守り易い地形が日本に僥倖をもたらした。そう解釈する本は多いですが、ここまで異色で楽しい本は珍しい。
この本では、日本史の恵みを、国土だけではなく、それによって培われた精神性や大衆社会に求めます。従来の日本史に逆説的・挑戦的な解釈を試みる訳です。その際には、城壁都市というユーラシア・スタンダードと壁のないニッポン・スタンダードというキーワードで比較し、解釈します。
古代に遷都が多かったのはなぜ→怨霊を恐れたからという説も近年広まっていますが、その前提として外壁が無い都だから遷都しやすかった、と解釈します。
古くから都市に公園が無かったのはなぜ→公園という領主の狩猟用の私有物が無かったから、と解釈するのです。
江戸時代の鎖国をユーラシアに対する逆封鎖だと言ってみたり、江戸時代の封建制にも主君押し込めがあったりして絶対君主どころかかなりの民主主義(というか合議制)があったと様々な文献から証拠を掘り出してきます。
天皇家がなぜこれほど続いたのか、円高で日本が破滅する論者が実は日本を救っているのではないか、といった興味深い説もあります。
地震はありますが、この国に生まれて良かったと思える一冊です。
次作にも期待してます。