速読の無料体験に行ったとき、できればいいなと思ったが、魅力を感じなかった。
本に限らず、いろんな細かいことにひっかかり、「どういうことやろう?」「この人はどんな人?」とつい興味が横道にそれてしまう自分だからだ。
学生時代も、どうしても受験勉強を楽しめなかった。無味乾燥な知識の注入を体が拒絶してのだと思う。
この本の主人公、橋本先生は、あっちこっちに興味が行きがちな多感な中高生に正対し、「銀の匙」という本を土台にして、子ども達とともに本の内容を追体験し、自由に思考や表現の授業を展開した。
私の思い描いていた教師像を体現した人だと感じた。
わたしは、高度経済成長とともに青少年期を過ごしてきたので、きっと合理化、効率化が骨身に染みてしまっているのだと思う。はやく役立つ情報と技術を身につけることを、何の疑いもなく追いかけてきたのかもしれない。しかし、心労から休むことを余儀なくされたことをきっかけに、この本と出会うことになった。自分が疲れてしまった原因と、そして、立ち上がる希望をこの本から学べたと思う。
すぐ役立つことはすぐ役立たなくなる
この橋本先生の哲学が、「銀の匙」の授業を通して教え子達に受け継がれ、各界で困難な状況を打開する原動力となっている。わたしも、もう一度、本当の学びを起こしていこうと思う。