タイトルからすると伝統工芸のように、長年に渡って受け継がれている技術や工芸のことを想像してしまいがちですが、本書では普段の生活でも見聞き手にする身近なものを取り上げられています。
売上至上主義に傾いてしまいがちな現代にあって、妥協を許さず誇りをもって必死に「いいもの」を作り上げる人たちの静かだけど確かな力強さを感じることができます。
著者の江上さんはかつて銀行マンとして企業の再建に携わった経験をお持ちなだけに、作り手が目指すもの、そこで働く人たちの思い、そうしたものにとても敏感に反応されていて、とてもいい話を引き出しています。
「今こそ取り上げなければ」というポリシーも本の全編を通して伝わってきて、日本のモノづくりはやはり凄いなと改めて感じさせてくれます。
きっと本書を読んだら日常生活に触れるひとつひとつの製品にまで思いをめぐらしてしまうことでしょう。