各方面で話題になった『奇縁まんだら』。第1作に続いてこの2作目も読破しましたが
本作の方が圧倒的に面白く感じられました。
と言いますのは、第1作には三島由紀夫、松本清張、遠藤周作、川端康成といった
文豪たちが綺羅星のように登場するのですが
瀬戸内さんがこれらの偉大な文豪たちに少し遠慮したのか、今一つ記述が物足りない印象を受けたのです。
ところがこの第2作、瀬戸内さんと肝胆相照らした年齢の近い人びとが多く取り上げられているせいか
登場する文学者やスターたちが第1作より遥かにいきいきと描かれているように感じました。
若い歌手を毒舌で批判した淡谷のり子、愛妻家だった福田恒存、70歳になっても艶っぽかった藤原義江、武田泰淳と百合子夫人、細やかさと暴力性を兼ね備えた中上健次、強烈な個性の大庭みな子や井上光晴など、どれも忘れがたいスケッチです。とりわけ島尾敏雄に関するくだりは短いながら強烈な印象を残します。
そして今回も横尾忠則氏の挿画が素晴らしい。一人ひとりの本質に迫ったような肖像画の数々です。読み終わって、こういった強烈で才能豊かな人びとが、ある者は天衣無縫に、ある者は厳しく生きていた昭和という時代を懐かしく思い出しました。