文壇を代表する作家をはじめ、著者が接した傑物、奇才たちの忘れがたいエピソード、思い出を記したエッセイ集。大作家と称される人たちの素顔が生き生きと、時に生々し過ぎるくらいの鮮やかさで活写されていて、ぐいぐい読まされてしまいました。
川端康成〜三島由紀夫、谷崎潤一郎〜佐藤春夫、今東光〜松本清張など、続けて取り上げた作家の間に、不思議な奇縁ともいうべき引き合う力が働いているところにも興趣を誘われましたね。
横尾忠則のカラー人物画の妙とも相俟って、著者が言葉を交わしたあの作家、この作家が彷彿と浮かび上がるエッセイとして、これは実に味があって面白い。本屋でぱらぱら拾い読みしていたら、「これはぜひ、家でゆっくり読みたい一冊だなあ」となりまして。で、読みはじめたら、のめり込むように読み耽っていた次第。
本書に取り上げられた人たちは、以下の21名。
島崎藤村。正宗白鳥。川端康成。三島由紀夫。谷崎潤一郎。佐藤春夫。舟橋聖一。丹羽文雄。稲垣足穂。宇野千代。今東光。松本清張。河盛好蔵。里見'ク。荒畑寒村。岡本太郎。檀一雄。平林たい子。平野謙。遠藤周作。水上勉。
初出は、日本経済新聞の土曜日付け朝刊、2007年1月6日〜2008年1月5日。