第1巻に感心し、興味を持ったこともあり、この第2巻もじっくりと写真を眺め、文章を精読しました。編著者は、鈴木博之氏(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授)、藤森照信氏(東京大学生産技術研究所教授)、隈研吾氏(慶應義塾大学理工学部教授)という3人の著名な建築史家と建築家と、松葉一清氏(朝日新聞社編集委員)、木村伊量氏(朝日新聞GLOBE編集長)の2人の朝日の関係者(朝日新聞日曜版に掲載したものですから)が選んだ建築物が掲載してあります。見開き2ページで1つの「奇想遺産」が紹介してあり、所在地・完成年・建築家とおおよその位置を示した地図が載せられているのは第1巻と同じ形式です。
教会建築と歴史的な建造物が増えたのは仕方がないですね。そんなに奇想ばかり造られているわけではないでしょうから。
表紙にもなったラスベガスの「ニューヨーク、ニューヨーク」には笑わせてもらいました。アメリカ文化の底の浅さを見事にパロディにしたものでしょう。勿論、建築家のガスキンとベザンキスはそれを意識して造ったわけですが。
ニューメキシコ州にあるサン・フランシスコ・デ・アシス教会は日干し煉瓦や泥で造られています。不思議な景観でした。これこそ奇想でしょう。流石に藤森氏の見る目は他の選者とは一味違いました。
同様に、フランスのアルヴィーユ・ベルフォスにある「木の中のチャペル」にも驚かされました。自然物を神にみているわけで、キリスト教以前のケルトの精神が伝わっているようでした。
岐阜県の「養老天命反転地」も紹介してあります。1995年完成とのことで、ここは出来てすぐに訪れましたが、これだけ不思議な空間を保っている公園は世界でも珍しいと思います。取り上げた隈研吾氏に拍手です。