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められた、犯人の心の謎であり、大掛かりな謎とストー リーを通じてその肖像が浮かび上がる構図こそが、この 作品の最大のトリックでしょう。 ここに描かれる真相は、日本人が忘れてはならない、た だしあまり語られることのない、重要な歴史的事実が背 景となっていて、ラスト近く、吉敷が口にするあるセリ
フは、作者の真摯かつストレートな心情の表出とも思え て心に残ります。一見奇異に思えるこの作品のタイトル も、実は深い意味がこめられていて、うならされます。 この作品以後、さまざまな歴史的背景を大胆に作中に取 り込み、本格ミステリーをの可能性を追求してゆくこと になる、島田作品の中でも重要な位置をしめる作品です。
でも、本当に、社会性というものを、本格ミステリーに持ち込む必要は、あるんでしょうか? この作品を読むと、トリック部分のフィクション性と、事件の裏の社会性が、うまくあわず、分離しちゃっている印象を受けます。むしろ、トリックを持ち込むことで、社会性を茶化しているみたいで、かえって、逆効果なんじゃないかなって思えてしまいます。やっぱり、二兎を追うのではなく、一兎を追求する、というのが、良いのではないでしょうか。。。
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