この本はビリー・ホリデイの自伝ではありません。彼女が当座の金ほしさにウィリアム・ダフティーなるタブロイド記者に書かせた扇情記事の集大成です。彼の女房メアリー・ダフティーが、ビリーの寄生虫だった関係です。
伝記DVD「ビリー・ホリデイの真実」でアニー・ロスは断じています、「これはキワモノよ」と。カーメン・マクレイは「読んだ瞬間、これは違うんじゃないかと思った」と言っています。同じくナレーションでは、結局この本にビリーは一回も目を通さなかったという伴奏ミュージシャンの証言を取り上げています。
いずれにせよ、この一冊でビリーを分かったつもりになったら危険です。どうせ読むならスチュアート・ニコルソンやドナルド・クラークの書いた伝記も読むことをお勧めします。
それ以上に、ビリーの音楽に対して先入観を排して耳を傾けるといいでしょう。そこにはすばらしい音楽経験が待っているのですから。