「人は誰でも失敗します。そして、その失敗を学ぶことによって成長し、進歩し、強くなるのです」。
今やすっかり市民権を得た、「失敗学」の権威である著者の本。図解雑学シリーズの、要点別に「文章+図解」という方式に沿い、失敗学のポイントを整理してわかりやすくまとめてある。特に前提知識も不要で、理解しやすく、やさしく読める。
失敗の定義や分類から始まり、伝達上の問題や失敗情報の利用方法、実例を並べた失敗からの学び方や生かし方、失敗から創造を生む方法、失敗学からの組織と個人の生かし方、失敗学からみたリーダーや企業、というかなり幅広い多角的な論点で失敗について述べている。
個人的には、新潟中越地震の新幹線脱線事故はマイナス面に目を向けた報道が多かったが死者が一人も出なかった背景には宮城県沖地震を教訓にJRが橋梁工事を重ねていたことがあるのであり、失敗学の視点からいうとこれは犠牲者が出ることを未然に防いだという点でむしろ成功例だと指摘している点は、特に印象に残った。
失敗に無関係な人間はいないし、組織も、社会もそうだ。失敗について知り、前向きに生かし、致命的な失敗を避ける智恵を身につけ、効果的な成長や創造の糧にしたいと考えている多くの方に、多少なりともヒントを与えてくれるのではないかと思われる。