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最も参考になったカスタマーレビュー
53 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
敗因研究ではなく組織分析の書として秀逸,
By 揚巻 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) (文庫)
この本が単行本として最初に世に出たのは1984年。しかも分析に当たって底本としたのが更に昔の戦史叢書(1966−80年刊)。その後発表された膨大な戦史研究をふまえて本書を読めば、個々の事例分析はツッコミどころ満載である。しかし、この本は長い間に渡り、いかなる戦史書よりも売れている。なぜか? それは、本書が敗因研究ではなく、組織分析の本として秀逸だからである(本の副題は「日本軍の組織論的研究」であり、決して「日本軍こうすれば勝てた」ではない)。 従って本書の肝は最後の第三章にある。読み物として面白いのは間違いなく第一章だが、極論すれば、戦史に詳しい人であれば第一章を読む必要はない。 日本軍という組織の特性を、すべて日米の国力差に起因するものと安易に結論づけることなく、日本独自文化論でお茶を濁すこともなく、論理的にねばり強く結論まで導いており、この第三章は玩味熟読する価値がある。 著者の一人である野中郁次郎が、後に本書の結論を発展させた形で出版したアメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)と併せて読むと更に理解が深まると思われる。
128 人中、115人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
あなたの会社は、旧日本軍になってませんか?,
By
レビュー対象商品: 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) (文庫)
とても読み応えのある内容でした。また、本書の内容は会社経営にも非常に参考になる点が多いと思いました。 前半で6つの戦闘の経緯を詳述し、後半で6つの戦闘から帰納的に導かれる日本軍の特質を米国軍と対比することで分析しています。 読み応えについては、単に後半で、使っている単語・文章が比較的難しい(創造的破壊、下位の組織単位の自立的な環境適応、など)ということもあるかもしれません。 しかし、文脈で捉えれば容易に理解でき、また前半の各戦闘の説明が非常に詳細な具体例として挙げられていることで、抽象的な言い回しも十分に理解でき、かつ、抽象的にも思える文章に説得力が増します。 これは、会社経営に大いに通じることがあり、非常に多くの示唆に富んだ内容でした。 あなたの会社は、旧日本軍になってませんか? 正直、お勧めです。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
まさに日本組織論の本質、今日と変わらぬ負ける理由,
By kurausu (大阪枚方市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) (文庫)
この書は、ミッドウェー戦やガダルカナル戦など大戦中の6つのケーススタディーを通して、日本軍の組織的な敗北に迫るものであるが、本書を通して、読者は奇妙な既視感に陥るだろう。「そうだ、あの頃と何も変わってはいないではないか」と。読み進める毎に、吸い込まれつつも、極めて悲観的になってしまった。読後感として、全体に通じる日本軍の問題は今日の日本全体を覆う問題に直結する。日本軍の情緒的でまたプロセスを重視し、年功序列型の昇級から来る問題は、今日の日本企業の問題へ、戦闘において自立性を極度に制限させられた現場と集権的中央の関係は、今日の地方と中央の関係へ、また日本軍部エリート創出の教育過程における問題性は現在の日本教育の問題に通じている。組織的には結局、何ら変わらずにここまで来たのかと疑いたくなる…。 例えば、当時日本陸軍の戦略文化としてあった「短期決戦」による「必勝の信念」を疑わない姿勢は、それが万一失敗した場合のコンティンジェンシープランの作成を拒んだ。それを作るように進言する声に対して、それは「必勝の信念」を疑う事であり、消極的で士気を低下させる行為だと言う。ここにあるのは「神話」の絶対性で、それを疑う事を許さない文化だ。この事は、現在でも形を変えて生じているのだ。最近の問題として、原発行政に同様の問題がある。原子力安全委員会委員をやっていた武田邦彦氏(現中部大学教授)は、原発を作る際の地震指針の不完全性を懸念し、念のために周辺住人にヨウ素剤とバイクを配布するように進言した。しかし「原子力は安全」がタテマエだからそれをやると、「原子力は安全でない」と言う事になるから出来ないと言われたという。…同じものを感じるのは私だけだろうか? 本書で最も核心部は「大東亜戦争中一貫して日本軍は学習を怠った組織であった。」(p327)という「革新的組織」になるべく学習のあり方に関するものだろう。逆説的だが、日本軍は日清、日露戦争への適応を進めそれに特化してしまった結果、組織内に多様性を生み出す「緊張」や「変更」を望まない、極めて安定志向の組織のまま不確実性の高い戦争へ突入して行った事だ。結果的に、現場からの声や作戦の失敗に対し得られた知識をフィードバッグし、既存の知識を否定し自己革新が出来ないシステムになり、同じ失敗を何度も繰り返して行った。この極度の特化から生じる問題は日本の携帯電話のガラパゴス化と同じ種類の問題だ。日本市場のニーズを極度に追求した結果、世界の流れから取り残される…日本市場が飽和した後は耐えられないかもしれない。長期決戦を見越した国際標準化の必要性が叫ばれるところである。 20年以上前にかかれたが、全く古さを感じられないという事は、まさに『失敗の本質』という通り、日本の閉塞に普遍的に横たわる本質的な「何か」に焦点を当てているからだろう。近代戦について、本書は言う、「…概念を外国から取り入れること自体に問題があるわけではない。問題は、そうした概念を十分に咀嚼し、自らのものとするように努めなかったことであり、さらにそのなかから新しい概念の創造へ向かう方向性が欠けている点にある。」これは近代戦だけでなく、日本が「輸入」した近代国家を支える民主主義と資本主義の概念にも通じ、冷戦後の日本の長期停滞を招いている原因だと思う。 大震災以後緊急に、42刷として出版された本書の一読を勧める。
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5つ星のうち 5.0
敗戦の要因は兵站と情報、自己批判の軽視
レビューされている数に驚き、この本が名著であったと今更ながら知りました。... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: zucchero
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