何でこんなに面白いのだろう。何でこんなに読ませるんだろう。山口二矢の浅沼稲次郎刺殺事件に衝撃を受けた少年時代、早稲田で右翼学生として闘うものの、地位を追われてしがないサラリーマン生活、三島事件に触発されて再び政治運動へ、自衛隊基地でストリップショーをやると聞けば抗議に行き、会社はクビに、赤報隊事件では容疑者と疑われ、右翼であることに向けられる周囲の白い目、友人先輩の中には自死を選ぶ人もいて、死屍累々の青春といった感じだが、文章は何故こんなにもという位ユーモアに溢れている。冷戦後、テロ否定を宣言し、現代の政治地図から見て左旋回と取られた近年の主張に対する攻撃にも言論で対するという決意は、その文章に表れるユーモアに裏打ちされていて強い。言うは易しで、ここまで自分を突き放して見る事は簡単じゃないはずだ。「ユーモアは暴力より強い」との認識を著者はどう得たのか、その秘密をいつか書いて欲しい!
しかしこれはやはり相当な悪人にして初めて書きうる本じゃないだろうか。