美人は得だ。これはおそらく、人類史上最も広範囲に流布する“非公式の規則”の一つだ。男であろうと女であろうと“顔面偏差値”は高い方が何かとちやほやされる。しかし、その偏差値は本家のそれとは違い、お金をかけて「上積み」しても違法ではないのだ。その局地こそが、美容整形という名の上積みである。
本書『失敗しない美容整形の本』は、六本木でクリニックを営む現役美容整形科医によって書かれている。1章では美容整形を考えている人に向けたアドバイス。2章はよいクリニックの選び方。3章で埋没法やフェイスリフトに代表される顔面整形、4章では豊胸手術と脂肪吸引など顔面以外の部位に向けての手術が解説される。整形手術のメリットだけでなく、デメリットもちゃんと押さえられている。また、巷に流布する「豊胸手術乳がん原因説」が根拠のないということや、脂肪吸引したら太りにくくなるなど、今まで知らなかった情報も豊富だ。
だがしかし、同名の前著から大幅に加筆修正されていて、なおかつ著者個人の医院の宣伝色も強くなってくるのが、ラスト5章の「泌尿器形成」の章だ。なんでも著者は「泌尿器形成の世界的権威」である「龍教授」に、日本で唯一「後継者」と認められたほどの、泌尿器形成のエキスパートだというのだ。
なかでも不感症の女性の80パーセントは、彼の手がけるくりとりすの包皮除去手術で治ると豪語するのだから、その自信のありようが伺える。夢の名器「俵三段締め」や「みみず千匹」(どちらも今まで聞いたことなかった)も、もう夢じゃない。また陰茎の短さにお悩みの殿方には、なんとそれを伸ばす手術が紹介されている。ただ、手術が図入りで解説されているのだが、思わず「イデデデデデッ!!」と評者は目を背けてしまったので、そのページを開く際は男の人は注意が必要だ。