1989年に出た単行本の文庫化。
沖縄県営鉄道、歌登村営鉄道、草軽電鉄、出雲鉄道、サイパン・ティニアンの砂糖鉄道、日本硫黄沼尻鉄道の6つが取り上げられている。いずれも現在では廃線になっている鉄道で、その廃線跡をたどるのが旅の目的となる。
国鉄ではなく、地方自治体や民営の路線ばかりである。そうした鉄道は人知れず消えていってしまう。資金も乏しく、軽軌、馬車鉄道などであったため、跡も残らないことが多い。その遺物を丹念に探しながら歩いていく。宮脇氏の情熱を感じさせられる一冊だ。鉄道廃線跡をたどる旅は、この後にも何冊か執筆されているが、やはり、最初のこの本がベストだろう。
得てしまった鉄道も地元の人々の記憶にはきちんと残っている。それが温かい。