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失われた近代を求めてI 言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて 1)
 
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失われた近代を求めてI 言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて 1) [単行本]

橋本 治
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

日本の小説は、どうしてダメになったのか? 田山花袋『蒲団』vs.二葉亭四迷『平凡』・・近代文学の黎明期に誕生したふたつの「私小説」が、小説の未来に残した可能性と困難とは? 作家たちが格闘した120年を読み解く新たな文学史。ライフワーク第1弾!

内容(「BOOK」データベースより)

『古事記』に始まり、平安後期の慈円による『愚管抄』を経て、二葉亭四迷の翻訳『あひびき』に至るまで模索されてきた日本語文体は、言文一致体の誕生によって一つの「完成」をみた。しかし、日本の文学史が、その先で袋小路に陥ったとして、その時、我々はなにを見失ったのか。

登録情報

  • 単行本: 248ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版 (2010/4/20)
  • ISBN-10: 4022507330
  • ISBN-13: 978-4022507334
  • 発売日: 2010/4/20
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
文学としての 『古事記』 、史料としての 『日本書紀』 の話にはじまり、慈円の 『愚管抄』 が 「漢文の翻訳体の創造」 であったという話あたりまでは、すこぶるおもしろく読めました。
しかし後半部、言文一致体をめぐる二葉亭四迷と田山花袋の話題になると、人によっては退屈と感じるかも知れません。

というのも、日本の近代文学史をあつかった評論には、中村光夫 『風俗小説論』 や、柄谷行人 『日本近代文学の起源』 など優れた先人の仕事がすでにあるため、本書で扱われている内容は、それら二番煎じのように見えてしまうところがあるからです。

中村光夫 「風俗小説論」 では、自然主義から私小説にいたる日本文学の閉塞性が批判され、柄谷行人 「日本近代文学の起源」 では、日本の近代文学が無自覚に西欧的な観念に取り込まれていく過程が示されています。

一方、本書では二葉亭四迷と田山花袋をクローズアップしその作品を比較することで、わが国の近代文学の大きな分岐点が示されます。
1つは田山花袋から現代の私小説にいたる道筋、もう1つは二葉亭四迷が思い描き継承者が現れず、ついに立ち消えとなった小説の可能性です。

二葉亭と花袋両者のテキストを詳細に読み込む部分には、橋本治さん独特の視点も見られますが、その一方で、それら作品が書かれた明治文学の背景説明が乏しく、言文一致体誕生前後の状況を俯瞰できるような視界が得られない点には、少々息苦しさを感じました。
(二葉亭や花袋とおなじく重要な明治の作家、島崎藤村や国木田独歩、夏目漱石や森鴎外や幸田露伴などは、おそらく第二部で登場するのだろうと予想しています)

明治・大正期の文学を広く一望したい人には、中村光夫 『日本の近代小説』 が参考になるでしょう。
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10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 白状してしまうが橋本がこの本で何を言おうとしているのか、よく分からない。
 いや、読んで面白かったし、帯の裏表紙側にある「『古事記』に始まり、平安後期の慈円による『愚管抄』を経て、二葉亭四迷の翻訳『あひびき』に至るまで模索されてきた日本語文体」という言葉に示されるようなパースペクティヴの下に言文一致体を位置づけようという、確かに橋本ならではの、おそらくは悪戯心と大真面目さが一体となったような試みに、またもやしてやられたという「快感」もあった。
 私自身、言文一致体にそれなりの関心を抱いてきたが、柄谷行人『日本近代文学の起源』に未だにどこかで拘束されていて、「描写」の問題に引っ掛かり続けている。しかし確か柄谷も『舞姫』を例にして「描写」の問題と言文一致の問題は独立であると述べていたように、「日本語文体」の近代は言文一致と交差しているようなしていないような、頭が整理できないもどかしさを拭いきれない。
 この橋本の言文一致論が、『平凡』への共感の示し方からも窺えるように、「描写」を軸に回っていないのは間違いない。言い換えれば、たぶん日本における「自然主義」、というクリシェを回避して、何か別の歴史を描き出そうとしているのだと思う。それはもうかなり以前から、橋本が折りに触れ訴えてきたことでもあるし、また振り返ってみれば橋本のこれまでの仕事というのが、どれもこれもその準備作業としか思えない。ただ、私にはそれがどのような歴史なのか、明確に言い表す言葉が見つからない。
 いや、たぶんそれはとても単純なことなんだとは思う。しかし頭の中に藁のつまった私には、その単純なことを単純に表現する言葉が見つからない。あるいは問題は、夢とか希望とか原っぱとか、そういうものなのかも知れない。しかしそういう言葉だけを差し出しても、そういう言葉に意味を与える文脈を作れなければ、空疎なだけだ。
 というワケで、私はこの本のことが分からない、分からないと呟きながら、読了から何週もの間手元に置き、ボンヤリと表紙ばかりを眺めて過ごしてしまった。
 因みに小谷野敦は『蒲団』批判に反応してか、ブログでこの本を全然ダメと退けていたが、全然ダメってことはないだろうと、私は思う。
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形式:単行本
 橋本治氏の著作は、読んでいるうちはなるほどなのだが、
読み終わってみると、何が書いてあったのか思い出せなくなる。

 この本も、分析は新鮮なので橋本氏の著作を追っている人は
読んで不満はないと思うし、二葉亭四迷の小説「平凡」の価値を
論ずる当たりはなるほどとは思う。「平凡」を別途読んでみて、
確かに橋本氏の言うとおり名作だと思った。

 しかし、この本とて、やはり何だったのか思い出せなくなって
しまうのである。それは、この著者の著作には主題が明示的に
与えられていないこと、構成もないこと、勝手に書きたいことを
書いていることにある。

 その意味で、読後感はそこはかとなく疲労感があるということ
になってしまう。
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