読了したわけではありません。アラビア語関連の用語のカナ表記が間違いだらけで、だんだん腹が立ってきましたので、その点指摘したいと思い、書いています。
原本を参照できない現段階では推測にすぎませんが、おそらく訳者は英語の表記をそのままカナ表記しているようです。が、ところどころ自由に読んでいますね。長音が入るべきところになかったり、不要なところに入っていたりしますが、これは仕方ないと思います。原文に特殊記号がつかわれていなければ、正確にカナ表記することは難しいので。ただそれなら、いっそのこと長音は全て省けばよかったのではと思います。その方が統一がとれますので。
それにしても、平凡社と言えば、『新イスラーム事典』を出している出版社。自分のところで出している事典の項目の表記と照合してもよかったんじゃないでしょうか。高校の世界史教科書や一般的なイスラーム概説書で用いられている表記とあまりに違うので、人物、地名、事項の同定ができません。読者をいたずらに混乱させるだけです。
一例を挙げますと、p.093に「グンデスハープル」という地名が出てきます。これだけだと恐らく理解不能ですが、後ろに「ペルシア・アカデミー」と続いていましたので、「ジュンディーシャープール」だと分かりました。これは、(恐らく原文では)GundeshapurとなっているのをGundes hapurと読んだ上でのカナ表記ですが、より正確にはGunde shapurとした上で、カナ表記すべきものです。sとhの間で区切ったのが間違いなのです。ちなみに、平凡社『新イスラーム事典』にこの地名は立項されていませんが、索引をみるとちゃんと「ジュンディーシャープール」となっていますので、表記のチェックは可能なはずです。
またp.345の、神学者にして哲学者(!?)「アル‐ガハザリー」に出くわしたときには思わず吹き出してしまいました。後ろの索引を見ると、「アル‐ガハザリーal-Ghazali」となっています。英文表記は特殊記号を使っていないことを除けば、正確に書いてあります。そうすると、GとHの間のaはどこから来たんでしょうか?すぐ下を見ると、ガザーン・ハーンも「ガハザン・ハーンGhazan Khan」とあります。やれやれ、ガザーリーも知らないで、この本を訳さないでほしいですね。
たかがカナ表記と思われるかもしれませんが、大きな誤解を生む元ですので、指摘させて頂きました。