マドレーヌ食ったら昔の記憶がフラッシュバック、そこから思い出が延々と、もう二転三転、未来に行ったり過去に戻ったり、人間関係もグチャグチャで登場人物がお互いに複雑な感情を絡み合わせ・・・という、通読するにはしたものの猛烈な疲労感だけが残り脳内で咀嚼できなかった作品の漫画版。なので、個人的に非常に強い興味を持って読み進めたのですが、これがもう、非常に良く描けている。
とにかく挫折者が多いこの作品は、「まんがで読破」シリーズの題材として最適である上、非常に高いレベルで漫画化されているのでオススメです。
少年時代の淡い恋や憧れ、青年時代の冒険心や恋愛、成人してからの苦悩と分別、それを取り巻く同世代の青春群像やサロンの人間関係に、社会情勢や時間軸が厚みを加えて人生の総括に至る道のり。一つ一つの場面は一昔前の少女漫画顔負けの恋愛物でありながら、その一場面で終わらず、次以降のシーンへと複数絡みあって進んでいく。
何つーか、最近は減りましたけども、「おしん」等の半生描き系作品をやってた頃のNHKの朝ドラを思わせるような「様々な悩みや喜びや戸惑いや悲しみを経て、いま人生を振り返る」みたいな、ズッシリとしながらも晴れ晴れとした読後感があります。原典なんか、もう疲労感しかなかったけどもw
この作品は、学生時代などに挑戦して、スワン家に辿り着いたあたりで挫折した方も多いと思いますので、漫画版をお勧めします。良作。