「日本の若者研究、そして労働研究に関心を持つ人々にとって必読の、古典となることが確実な名著である。」という本書の紹介文に全面的に同意します。さらに、教育問題や、社会学という学問分野に関心がある人にとっても必読の本だと思います。また、企業の人事担当者や高校の先生などといった労働や教育の現場にいるいわば「大人」の立場の人も、就職に向き合っている学生や疑問を抱きながらも働いている「若者」も、本書を読めば自身の立場に応じた新しい発見がきっとあると思います。なかでも、本書211ページの次の言葉は、「大人」にも「若者」にもぜひ届いて欲しいと願っています。
「こうした(ロストジェネレーションの)若者たちは、日本の失敗の証ではない。日本の希望の光なのだ」
この本では、若者と現代日本社会の状況を、豊富な統計データや、多様な関係者から引き出したコメントから、冷静で手堅く論考していきます。若者に対して安易な偏見を抱いたり、あるいはさまざまな問題の「犯人」を決めつけたりすることがないよう、細心な注意が払われているのでしょう。それでいながら文章は読みやすく、筆者の主張は明快です。また、政治や制度の改革だけではなく、企業や学校の関係者に対しても、若者に対しても、具体的で思いやりのある提言をしています。