メタローグ
固定してしまった小説の語りを、明治時代の言文一致の模索にまで遡って作り替えてしまったような異形の文章である。ルール破壊のパンク的センスと上方漫才、落語的なセンスが合体した、おもろうて悲しい独自のペーソスを発揮する。本書中「人間の屑」は一人称主語「自分」で書かれている。志賀直哉が用いた「自分」よりももっと低い、軍隊の下級兵士や体育会系の後輩の呼称に近い。近代文学が築いてきた知的「私」のダンディズムを、いわばオースチン・パワーズ的なローアングルに構えなおして語りきった傑作である。(清水良典/文芸評論家)
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内容(「BOOK」データベースより)
金がない、仕事もない、うるおいすらない無為の日々を一発逆転する最後の秘策。それはメルヘン執筆。こんなわたしに人生の茶柱は立つのか?!あまりにも過激な堕落の美学に大反響を呼んだ「夫婦茶碗」。金とドラッグと女に翻弄される元パンクロッカー(愛猫家)の大逃避行「人間の屑」。すべてを失った時にこそ、新世界の福音が鳴り響く!日本文芸最強の堕天使の傑作二編。