世の中にはいくつになっても仲睦まじくやっている夫婦もいる。
そんな幸せな夫や妻はそもそもこの本を読む必要がない。
世にいう夫婦間のすれ違い。
それをこの本では男女の脳の働きの違いを中心に説明している。
男女の脳の働きの違いを取り扱った本は少し前に話題になった『
話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く』をはじめとしてこれまでにもたくさん出ているが、この本では特に夫婦の発想の違いに焦点を当てている。
冒頭から結婚前に強く愛し合った男女ほど結婚後のくい違いが大きくなることを学術的な理論でドライに説明している。
いわば「すれ違うのが当たり前」と開き直るところから始まっている。
しかも、単なる理論ではなく、作者自身の夫婦間の経験談に照らしているところに妙な説得力を感じる。
読んでいくと私にも思い当たるフシがある。筍みたいにフシだらけだ。
この手の本に対して、男はこう、女はこうと決めつける論調が気に食わないという人もいる。
私も、もちろんステレオタイプ的な見方だけでは片手落ちと思っている。
性差以上に個体差が大きいことは無視できない。
でもそんなことに目くじらを立てる必要はない。
この手の本の本当の楽しみ方は、そこではない。
運勢占いを読んで、当たっているところや自分にいいことが書いたあるところだけを信じるのと同じ。
自分の経験に照らして思い当たる点があれば、それをきっかけに伴侶の発想や行動への理解を深め、自分の日頃の行いを少し考え直してみること。
相手の発想の仕組みを理解すれば腹を立てずに済む。そして少しだけ思いやれる。
夫婦円満とはいかなくても、少なくとも熟年離婚に至るリスクを多少は軽減できるかな?