言いなりになりがちで、なかなか夫を転がせないなあと思っていたところに、本屋さんで見つけて立ち読みしてみたら、なんだか好印象だったので購入。
野村沙知代さんというと、恐妻・悪妻のイメージが持たれがちですが、どうしてどうして、温かい気持ちになれる、とっても良い本でした。
まず、出てくるエピソードがみんな面白い。痛快。
ご主人が解雇されても「なんとかなるわよ」で済ます、試合に負けてがっくりきているご主人をなおも叱りつける、ご主人が隠し持っていた携帯をその場でぶち壊す、息子さんがいじめに遭っているのを察知しすぐさま教室に怒鳴り込む、近所の登校拒否の子を叱りとばして学校に行かせる、ご主人が嫌がっても「男は働いてなんぼ!一生働け」とスケジュールをとにかく仕事で埋め尽くす、などなど。。
こういった、いかにも沙知代さんらしいエピソードのどれにも、家族や子どもへの温かい気持ちが背後にあることがわかり、気持ち良く読めます。
そして、ご主人もそんな沙知代さんの気持ちをわかっていて、ぼやきながらも深く深く愛しておられるのがとてもよく伝わってきて、なんとも微笑ましい。
ご主人が深夜に帰宅して「何か食べたい」と言っても、体のことを考え絶対に何もあげない、好物も隠しておく、といった内容を読んで、「ああ、言いなりになるだけじゃなくて、本当に夫のためになることをしてあげることが大事なんだな」と思いました。
確かに、「休日出勤なの?大変だね、早く帰れるといいね」と言って夫を送り出すよりも、「さあ、どんどん外に出て、働いてらっしゃい!」と言った方が、夫は家を出やすいのかもしれない。
夫がやってほしいことと、妻としてすべきこととは、本来別なのかもしれない。
「死んであの世に行っても顔を合わせたくないわ」なんて言いつつ絆の強いご夫妻を見ていると、「いつまでも一緒にいようね」と言いつつ離婚してしまう世間一般のカップルとは次元の違う愛の深さを感じます。
「五十・六十洟垂れ坊主、七十・八十働き盛り、九十になってお迎え来たら百まで待てと追い返せ」という言葉が使われていますが、いくつになっても健やかに働こうという夫妻の姿勢は、どの世代の夫婦にも勇気を与えてくれるのではないでしょうか。
著者名にびびらず、ぜひ!(笑)