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太陽を曳く馬〈下〉
 
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太陽を曳く馬〈下〉 [単行本]

高村 薫
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第61回(2009年) 讀賣文学賞小説賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

死刑囚と死者の沈黙が生者たちを駆り立てる。僧侶たちに仏の声は聞こえたか。彰之に生命の声は聞こえたか。そして、合田雄一郎は立ちすくむ。―人はなぜ問い、なぜ信じるのか。福澤一族百年の物語、終幕へ。

登録情報

  • 単行本: 384ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/07)
  • ISBN-10: 4103784075
  • ISBN-13: 978-4103784074
  • 発売日: 2009/07
  • 商品の寸法: 19.4 x 13 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 63,098位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:単行本
上巻は、交通事故死した永劫寺サンガの青年雲水末永が元オウムだと判明した時点で終った。上巻では秋道の犯した特異な事件と彰之の観念的な認識論の絶望的乖離が圧倒的だったが、下巻も、オウムを素材にしながら、精神世界がより深く掘り下げられる。合田の孤独・隔絶感も益々高まっているようである。部下との言語感覚・信仰概念の相違が冒頭から露呈されている。言葉が持つ意味の齟齬感は作者自身のものかも知れない。

サンガの修行僧は元オウムの末永に異質を観て驚いたのか、同質を観て驚いたのか ? 仏教の本質を理解していない私の様な者にとっては、又しても「不可知」を論じている様に思える。しかし何れにせよ、末永は集団から排除されたとも考え得る。また、住職明円が末永を唱して展開するアラヤ識論は素粒子論にも似て、作者が末永をこの病種に設定した理由付けにもなっている。現世利益からインド的神話世界まで禍々しく包含した「宗教」。登場人物の言葉ではないが、現在「宗教」と真っ向から対峙出来る作家は作者くらいだろう。また、道元に関する明円と合田の会話、「不可逆の因果があるから言葉の論理が可能になる」は作者の執筆原理と取れる。そして、突然のサンガの解散。「正法眼蔵」も「バガヴァッド・ギーター」も読んでいない私には理解し得ない宗教論議が延々と続く。くどい様だが、作者は自身が紡ぎ出す言葉の力に賭けていると思う。オウムに対する分析も微細を極めるが、本質は我々の心性・認識原理の徹底解剖とその言語化であろう。<空>かも知れない<私>論を、飽くまで言語活動として展開する最終章も印象的。

小説としての成否は兎も角、「宗教」を軸として現代人の心性の問題にここまで踏み込める作家は作者を置いて他にはあるまい。「不可知」なモノを言葉で表現する壮大な試みを行なった圧倒的な作品。「晴子」の物語は完結したのであろうか...。
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21 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 20世紀を貫いて21世紀に至る壮大な三部作サーガついに完結。本作も、現代美術、死刑、宗教に挑む高村薫の執念と信念が結実した傑作。

 圧巻は「オウム真理教を宗教と認め得るか?」という討論。「あんな太ったグルはおりません」という言葉は痛快だが、そこに至るまでの、道元、マックス・ウェーバー、インド哲学を駆使した法論にはただただ感服の一言。「1Q84」に於いて同じオウム真理教を扱った村上春樹が「物語の力」を信じているのであれば、高村薫女史は「問い続ける近代的批判精神」を信じているのだろう。直観が必要な現代美術や神秘体験の抽象化が必要な宗教的世界の存在を認めた上で敢えて人は問い続けていかなければならないのだという覚悟の重さがそのまま本作の重厚さなのだと思う。

 そして最終章、彰之の手紙は「晴子情歌」冒頭へと回帰する。少女の晴子が見た七里長濱の情景。境界も定まらぬ空と海と砂嵐の入り混じった白明の中、砂丘を渡る清々とした風の音、そして行きずりの雲水たちが唱えてくれた四弘誓願の声と持鈴の音が聞こえてくるような感動的な完結である。

 決して読み易い小説ではないが、合田雄一郎も帰ってきたし、「新リア王」で離れてしまった高村ファンにも読んでいただきたい。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
1ページに1語や2語、下手をすると10語近く、読めない又は意味が解らない単語が出てくる。
特にアートと仏教を延々語る章は本当に読み進めるのに時間がかかり、雄一郎さんに鼻で笑われそうだけど、手元にスマホを用意していちいち漢字や人名、絵も調べたりしてなんとかかんとか読了しました。おまけに3部作と知らず、まだ晴子情歌もリア王も読んでいなかったので最後は、嗚呼失敗したと思いながら、それでもページを捲りました。

もー、難しい!
でも途中で投げ出すのは嫌だ!
それの繰り返し。

きっと半分も理解できていなくて、でも読んだことで自分の中に何か溜っていけばいいな、というかきっと何か溜ったな。と思える本でありました。
検事の台詞がいちいち面白くて、そこだけはゲラゲラと笑える。
良い人も悪い人も出てこない。時折胸が熱くなる。よくわからない涙がちょろっと流れたりもする。
・・・感想を書くのも難しい。
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