静かに幕を下ろした「太陽の黙示録」まずは完結おめでとうございます。列島激震、海峡、日本分割統治、
列強介入。幾多の苦難の末、新生統一日本政府樹立。二人の王の選択は、果たしてどう評価されるのだろうか?
2010年、この10年の間連載していた「ジパング」と「太陽の黙示録」の2作品に結末をつけたかわぐち先生。「ジパング」の結末は、一つのシンプルだが変えようのない不文律を噛み締める。
かいじ先生は「ジパング」の結末は読者にともに考えて欲しいと願い、筆を置いたという。
そして「太陽の黙示録」は火山灰と瓦礫の下から立ち上がった日本人という民族の「しなやかさ」を描き幕を下ろしたように思う。厚い雲の上の太陽を仰ぎ歩んだ道。この最終巻だけで良かった、悪かったという評価は私は相応しくないように思う。
過去への恩讐から国を売った藤堂。困窮と希望を一身に受け聖母となった恵理。新生日本の誕生を畏れた列強の介入。その時、歩む道を決断してきた人々が願ったことは何だったのか?やがて厚い雲の上の太陽が晴れ、大地を照らすようになるまで、二人の王は自身の信念を貫き通した。
そして最後に導きだした答えの背景にあるのは多くの人の顔なのだろう。
神はサイコロをふらない。火山灰と瓦礫の下から立ち上がった日本人という民族の「しなやかさ」は重機も
電気もなかった時代から川筋を変え、水田を開いてきた頃から変わらぬ資質なのだと思う。
あえて苦言を残すならば、単行本を1部と2部に分けたことが大きな失敗だったように思う。やや駆け足で終わった感もあるが、「ジパング」「太陽の黙示録」の両巨編を書き終えた、かわぐちかいじ先生に敬意を表したい。さすがというべきか、新連載を2本休む間もなくたちあげた先生。ビートルズと幕末を描く新作も
期待している。
すばらしい作品を読ませていただきありがとうございました。次回作も静か応援させていたただきます。