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20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
太陽の黙示録17の続編です,
By
レビュー対象商品: 太陽の黙示録 建国編 1 (ビッグコミックス) (コミック)
こういう題名なので、装丁を変えただけの本かと思い 買うのを躊躇していました。続きと確認してから買おうと どなたかのレビューを待っていたのですが、まちきれず、買ってしまいました。17巻の続きです、ここから読んでももちろん、何の話かわからないでしょう。今までのあらすじさえ 書いていないのですから、、、 わざわざ1巻にした意図がよめません。 今までのメンバーに葛城亮 それに、羽田の恋人 滝沢日南子が加わり 南北以外の第3のエリアでの計画を中心に展開していきます
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
戦後と重なる再建の物語,
By 林田力 (hayariki.net) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 太陽の黙示録 建国編 1 (ビッグコミックス) (コミック)
本書(かわぐちかいじ『太陽の黙示録 建国編 第1巻』小学館、2008年6月30日発行)は死亡者2000万人、行方不明者4000万人を出した日本大震災後の日本を描いた漫画である。震災の影響で東京や大阪は水没し、本州は南北に分断された。日本は壊滅的な打撃を受け、北日本(ノースエリア)は中国、南日本(サウスエリア)はアメリカが復興を支援することになった。その結果、それぞれの地域で支援国の影響を受けた政府が分立し、東西ドイツや南北コリアのような分断国家となった。震災が作品の出発点であるが、本題は震災による破壊自体よりも、震災後の政治と社会、そして人間である。本書は第1巻であるが、17巻まで続いた第1部「群雄編」の続きである。「建国編」とあるとおり、難民として世界中に散らばった日本人が暮らすための、北でも南でもない第3の国の建国を志向する。 『太陽の黙示録』の興味深い点の一つは登場人物が三国志をモチーフにしている点である。例えば主人公の柳舷一郎は劉玄徳に由来する。他にも羽田遼太郎は関羽、張宗元は張飛、宗方操は曹操に対応する。諸葛亮に因む葛城亮が柳舷一郎の仲間になり、新たな国作りを目指す建国編は、天下三分の計を髣髴とさせる。 ノースエリアもサウスエリアも、それぞれの支援国であるアメリカと中国の悪い部分が極度に肥大化しており、望ましい社会から程遠い。これに対し、柳舷一郎らは自給型経済と非暴力不服従を理念として、新たな日本の建国を目指す。 この展開は戦後の日本をなぞらえているように感じられる。思うに震災後の日本は敗戦で焼け野原になった日本である。そして戦後日本は植民地支配による搾取を行わず、戦争を放棄することを出発点とした。これが自給型経済と非暴力主義に対応する。 しかし、高邁な理念と比べ、戦後日本の実態は、あまりにも中途半端なものであった。戦争放棄を謳った憲法9条は維持されているものの、自衛隊はアメリカの世界戦略に組み込まれつつある。また、直接的な植民地支配はしていないものの、日本企業の発展途上国への進出は、新植民地主義に基づく経済的搾取と批判されている。 そこで大震災によって戦後日本を破壊し、中途半端になっている戦後日本の歩みを、もう一度やり直すことが本作品の狙いかもしれない。リセット願望や「希望は、戦争」という赤木智弘氏の主張と共通するメンタリティが感じられるが、破壊後に目指す理念が自給型経済と非暴力不服従という点は興味深い。 その意味で本作品の描かれる先には大いに注目している。上述の理念を本質的なものとして、どこまで追求できるかが問題である。戦後日本は理念を置き去りにして、ひたすら経済大国への道を邁進した。 本作品でも日本に帰国したい数百万人の難民がおり、彼らが生活できるようにすることが優先的に求められる。仮に焼け野原から経済大国にしてしまうような、ひたすら前に進むだけの発想で乗り切るならば、戦後日本の繰り返しとなってしまう。新たなる日本がどのように描かれるか、注目したい。
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