人類の協力者ポスビの中央プラズマの変節の謎を探るべく勇躍危険に身を投じるテラナーの活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第261巻。本巻の執筆者は、次代を担う若手の競演ヴルチェクとクナイフェルです。旗艦《ゴノツァル》と輸送艦10隻は二百の太陽の星近傍で立ち往生していた。同盟者であるはずの中央プラズマから着陸を拒否されたのである。
『太陽の都市へ』エルンスト・ヴルチェク著:しかも惑星地表にあるテラ駐留部隊が住む都市サンタウンとも連絡が取れない。中央プラズマが危機にあると見たローダンは自らアトラン、ロイド、新たに見つかった女性ミュータントのイルミナ・コチストワと共に惑星への潜入を決意する。『復讐者のシュプール』ハンス・クナイフェル著:復讐者サンダル・トークは大群の従者である小型宇宙船に忍び込み宇宙を旅する。やがて宇宙船内部に住む異人に見つかってしまい激しい戦闘となり、遂に未知の惑星地表に不時着する。
またもや二人の魅力的なキャラクターが登場しました。女性ミュータントでメタバイオ変換能力者のイルミナ・コチストワは相手の体内組織の細胞を自在に組み替えて配列し直すという恐るべき能力を有します。後半でサンダルを助けて活躍する相棒のタホンカ=ノは骨男の愛称で、高圧レギュレーターとも呼ばれます。私の好みとしては、今回は自らの異常な能力に苦悩しながら心を鬼にして戦うヒロインのイルミナに軍配を上げたいと思います。本巻の翻訳者、渡辺広佐氏のあとがきはフンコロガシのお話です。別の翻訳書ファーブルの伝記のあとがきで、「フンコロガシという虫はわが国にはいない」と書いたのですが、先頃昆虫学者の方からの日本にも二ミリほどの非常に小型の種が三種いるという情報を伝え聞かれました。自分のミスを棚に上げてこんな事を書くのも変だけれど、何だかとても嬉しい気分になったと結ばれています。