のっけから主人公メカ=ダグラムが朽ち果てて擱座している
衝撃のシーンから始まる本シリーズは、
実に全75話からなる恐らくはサンライズ最長のオリジナルロボットアニメとなります。
時に1982年くらい。
世間はガンダムブームと言う名のガンプラブームに明け暮れておりました。
自分も近所の模型店やおもちゃ屋が入荷する日をすべて暗記し、
学校帰りには巡回してジオングだのリックドムだのを入手しては狂喜乱舞していたものです。
しかしガンダムの後にガンダムはあらず。
いや、富野監督とサンライズはその後もロボットアニメを作り続けたのですが、
『伝説巨神イデオン』の紡ぐ物語に衝撃を受けたり『聖戦士ダンバイン』世界観に驚き覚えたりしても、
「ガンプラ」的な気分は全く埋まらなかったのです。
そんな中、砂と鉄と硝煙の匂いを携えて登場したのが『太陽の牙ダグラム』。
第1話の放送の後は、全国のSAK(スケールアニメキット)がことごとく擱座させられ、
汚されまくられたであろう事は言うまでもないのでした。
そんな『ダグラム』物語は実にハード。
デロイアという架空の惑星を舞台に、第二次大戦中に欧州諸国が行なっていたであろう、
植民地政策をシュミレーションするという、ガンプラ小僧とは真逆の世界。
けれど主人公クリン・カシムの属する独立愚連隊・太陽の牙の仲間たちは、
どこか幼さを残した気のいいおっさんたちで、そんな憂鬱な戦況を、
ナハハがははと笑い飛ばして駆け抜けていくのです。
そこには少し背伸びをしたい中坊が憧れた大人の世界があったのかも知れません。