スコッチ復帰・殿下の殉職にあえて触れずに他の方と違った見方を。
太陽には個人的にお気に入りの監督さんが3人います。
まずは木下亮監督。
沖雅也主演「俺たちは天使だ!」(1979年放送)のメイン監督としても有名で、太陽ではご本人が「血が出るのはあまり好きじゃない」ということもあって、叙情的な作品を撮ることが多いのですが、BOX最初のエピソード「ゴリラ」では俺天よろしくコミカルタッチでつくられています。
というか、もしお手元に俺天の映像があったら見比べて欲しいのですが、セルフカバーか?と思うよな作品です。
特にこの回で使われるギミックが俺天第6話「運が良ければ痛み分け」(
俺たちは天使だ! VOL.3 [DVD]に収録)のものと酷似しています。実は脚本も俺天と同様長野洋氏で、エピソードの最初から俺天で「ゴリラ」と呼ばれていた横谷雄二さんも登場しますし、確信犯的に撮られた可能性は高いです。
1980年最初の作品ということで、娯楽色が強くなっています。
二人目は斎藤光正監督。
元々日活のカラーを持っている方で、演出は大胆かつ繊細です。
そのカラーが遺憾なく発揮されるのが「島刑事よ3部作」の第一作「島刑事よ、安らかに」。
先日見直して初めて気がついたのですが、専門用語ではどう言うのかわからないのですが、魚眼レンズのようなものを使っています。手前がもの凄くアップになり、背景に奥行きが生まれます。色合い・明暗の使い方などまるで映画のようでもあり、それだけでも充分に見応えはあります。
元々殿下の殉職自体が小野寺さんご本人があっさりした最期を希望されていたので、そのために用意された殿下のアクション編だと思いますが、脚本も後の刑事ドラマでリメイクされるなど完成度が高く、その中で小野寺さん自身も全力で走り、殿下の代表作としてあげていい一本になっています。
三人目は太陽中期までメイン監督として活躍した竹林進監督。
人物のアップを多用しながら、その人の心情を浮き上がらせる演出が特徴的です。
実は竹林監督の撮る山さんの「目」が好きで、「密偵」はその最たる回だと思います。
とある現場に立ち、一人推理に浸る山さんの目は美しくもあり、露口さんの演技と相まって山さんの「真実の追求者」としての側面を色濃く映し出します。
山さんのアクション編とも言えるこの回は、クライマックスに効果的にスローモーションが使われます。このアクションシーンでのスローモーションも竹林監督の特徴で、この回は「青春のテーマ」こそかかりませんが、このスローによって山さんの「渾身の一撃」が表現されます。
やはりメイン監督なだけあって、見るものを引き込む演出は素晴らしいです。
役者さん達の演技力も当然必要ですが、それを生かす台本・演出も当然必要です。
この頃の太陽にはその蓄積が多分にあったろうと思います。
一度だけでなく繰り返し見て、その本当の良さを発見することもDVDならではだと思います。