詩についてほとんど触れられていない点や、
蛇足の感のあるランボーの後半生の描き方、配役等々賛否両論ありますが、
そんなことはこの際どうでもいいと思えるほどに
この映画のレオナルド・ディカプリオは美しく魅力的。
美少年と言われたこの頃のレオですが、
一つ前の映画も、一つ後の映画も、この時の美しさにはかなわない。
ファンが口を揃えるように、まさしく「レオの最も美しい一時期をとらえた奇跡の映像」です。
この一瞬をここまで綺麗に撮っておいてくれた監督に感謝したくなります。
美しいだけではなく、レオの演技は「ランボーはこうだった」と思わせてしまう見事なもの。
若く自由奔放な激情をぶつけてヴェルレーヌを翻弄しつつも
誰よりも愛していると自分に言いながら奥さんと別れられないヴェルレーヌの弱さに苦しむ。
ランボーは紛れもなくヴェルレーヌを愛していたということが、
そして、ヴェルレーヌとの別離、詩との決別の必然がよく伝わってきて、とても切なくなります。
シューリスも相変わらず上手いし(醜悪な容姿の役作りも過剰なほど)、
ボーランジェの若妻の清楚な美貌と女の意地が宿る肉体美、
三人が描き出す愛憎の世界がとても素晴らしい。見応えがありました。
しかし、さすが女流監督だけあって、
レオのこういう姿が観たい!こういう台詞が聞きたい!ってのを
どうしてここまでわかってくれるの?!というくらい、ツボにはまるシーンが多い。
レオも監督の描きたい匂いや色というものをよくわかっていてこまごま上手い。
酒場でヴェルレーヌの掌にナイフを突き刺すシーン、
海を見せてもらってヴェルレーヌに飛びついてキスするシーン、
ヴェルレーヌと奥さんが過ごすホテルに押しかけるシーン、
船で去っていくヴェルレーヌに「行かないで!」と泣き叫ぶシーンなどなど、
何度も何度も観たくなります。
とても切なくてつらいシーンが多いのですが、
肩甲骨でワインのコルクを抜いたレオがシューリスと笑い合うシーンは
それ演技じゃないでしょ!って突っ込みたくなるほど楽しそうで、
本当に微笑ましくて救われます。