☆フランス映画界の貴公子にして、二枚目男優の代名詞、アラン・ドロンの名を世界中に知らしめた美しく危険な至福&究極の大名作。サンフランシスコの大富豪からヨーロッパにいる息子のフィリップ(モーリス・ロネ)を連れ戻してほしいと依頼されたトム・リプリー(アラン・ドロン)。しかし、フィリップは帰る気がまるでなく、婚約者マルジェ(マリー・ラフォレ)に対する態度も誠実さに欠けていた。トム・リプリーはフィリップの使い走りをさせられ、次第に高まる怒りと殺意がヨットで爆発しフィリップを刺殺、死体を海に投げ捨てる。やがて、サインを練習し、旅券を偽造して、フィリップに成りすます。さらにマルジェの心までも得ることになる。こうして完全犯罪は成功したかに見えたが…。という、物語。とにかく、構成から映像美、小道具にかけて何から何まで完璧で文句のつけようがない。巨匠、ルネ・クレマン監督の丹念で的確な演出もお見事で隙がない展開にも圧倒される。陽光の下で繰り広げられるオーソドックスな雰囲気も相当な魅力を生み出している。華麗なロケ地はローマ。ニーノ・ロータの優雅な主題曲には陶酔させられた。神秘的で悲喜なムードも忘れ難い。スリリングなサスペンス・ミステリーとしても見事な完成度を誇る。モーリス・ロネとマリー・ラフォレの存在感もこの作品を引き締めている。そして、映画史に永遠に残るであろう驚愕=圧巻の結末は絶対に話さないでください☆。