高校生編ですっかり太郎君に親近感が湧きました。
人並みに様々な葛藤を経て大学生活をスタートさせた太郎。その予想以上の生活力には驚かされます。ついほほえみたくなります。
風呂や歯磨きは喜んでパスする男の子の、新生活初日の料理がタンシチュー。そんなものを気負わずひょいひょいと作ってしまう姿や、玄関の鍵が開かなくなっても、台所の窓からの出入りを楽しんでしまう姿。生活にはお金をかけなくとも、本にはお金を惜しまない。
太郎の強さは、物事の価値基準が内面にしっかりと根を下ろしていて、外界に左右されないところです。
私もこの強さを持って大学生活を送っていたら、と遊んでばかりいた自分を振り返ってしまいました。
曽野綾子の作品の中では、そんなに説教くささはないほうです。