太極拳は約300年前の陳王廷創拳が定説となっている。しかし、著者は中国に現存する多くの文献を精査し、ほぼ900年前には存在していたことを突きとめた。それは“十三勢”と称された套路であった。さらに十三とは“周易”による八卦と五行の和であり、それらは動作の方位を示すことを明らかにした。十三勢はその後、伝統拳(楊・陳・孫・呉・武式)へと引き継がれていった。特筆すべきは文字だけの文献から、多くの伝統拳等の現在の連係動作を比較調査し、往時の十三勢の套路を復元し発見に繋げたことにある。中国の専門学府出身の武術家ならでの偉業であり10年を費やした。
太極拳の源流を求めて―十三勢套路の発見丁寧な日本語で書かれた太極拳の研究のまたとない指導書と考えられる。