「自存自衛・大東亜の新秩序建設」を掲げ太平洋戦争への突入。帝国陸海軍、官僚によるこれほど自国民のことを軽視して無計画のまま戦争を始めた国は他に例を見ないのではないだろうか。本シリーズの第1篇としては、南洋方面へ資源を求め、占領をした所で満足し、資源を日本に持ち帰るに海上護衛の思想を欠き、長大なシーレーンを守る戦略も装備も全く欠けた日本に焦点を当てながら、開戦から終戦までの失敗を解説してくれている。当時の関係者のコメントを多く入れたドキュメンタリーに臨場感を感じる。そもそも優位に立つと慢心して相手を見下す日本人独特の性癖があり、エリート軍人達が愛国者ぶって国を博打の賭けをするようなやり方で戦争に駆り立てた。またこんなにジリ貧の窮状の中でも陸海軍の対立、大きなムダ、それが足枷になっていた。そして虚勢と起死回生もあり得ると国民を絶望的な本土決戦に駆り立てていた。読んでいて本当にこの不幸を悔やむし、どうして日本人はこうなのかと悔しい思いだ。昭和17年当時の参謀本部の服部卓四郎作戦課長、田中新一作戦部長・・・子孫の方々もこの書を読んでいらっしゃるだろうか。