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太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-4)
 
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太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-4) [単行本]

フランソワーズ・サガン , マルグリット・デュラス , 田中倫郎・清水徹 , 朝吹登水子
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,940 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

愛の本質を見つめつづけ、世界に大きな影響を与えた二人の女性作家。仏領インドシナを舞台に、美しい娘と彼女に焦がれる男の駆け引きを描いたデュラスの2作と、サガン衝撃のデビュー作。

〈ぼくがこの作品を選んだ理由池澤夏樹〉
「太平洋の防波堤」
仏領インドシナのけだるい風土がまず舞台だ。そこでは欲望もけだるくしか動かない。登場するのは美しい娘とその兄と母という家族。そして娘に焦がれる男。性と富の曖昧な交換の物語に読者であるぼくたちは身を沈める、ぬるい風呂に浸るように。

「愛人ラマン」
まず、これは蒸留された『太平洋の防波堤』だと思った。貧しいフランス人植民者の娘と富裕な中国人との、恋にまでなりきらない性愛の仲が淡彩で投影される。それを回顧して語る声がものすごくエロティック。登場人物の声が聞こえる小説はいい小説である。

「悲しみよ こんにちは」
十九歳でなければ書けない小説があるのだ。若くて、才気があって、まだ人生に無知なゆえに残酷。場所は南仏、時期は夏、美貌の人々、テーマは愛と策略と死……もう完璧ではないか。サガンは一生この処女作をなぞって書き、この小説のように暮らして死んだ。

内容(「BOOK」データベースより)

「太平洋の防波堤/愛人ラマン」―18歳でわたしは年老いた…仏領インドシナのけだるい風土で暮らす、貧しいフランス人入植者の家族を主人公に描かれる2つの物語。美しい娘と彼女に焦がれる裕福な男。『太平洋の防波堤』で執拗に描かれた恋愛未満の性の駆け引きが、『愛人ラマン』では「流れゆくエクリチュール」とともに性愛の高みへと変奏されていく。デュラスの2つの代表作。「悲しみよこんにちは」―その夏、私は17だった。そして私はまったく幸福だった…17歳の少女セシルは、父の愛人と自分の恋人を使って父の再婚相手を破滅へ追いやる。南仏の海岸を舞台に、少女の好奇心、独占欲、完璧なものへの反発、愛と孤独が描かれる衝撃のデビュー作。

登録情報

  • 単行本: 622ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2008/3/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4309709443
  • ISBN-13: 978-4309709444
  • 発売日: 2008/3/11
  • 商品の寸法: 19.4 x 14.4 x 4.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hamachobi トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
河出書房新社から出ている世界文学全集の第4弾。フランスの女性作家2人、マルグリット・デュラスとフランソワーズ・サガンの代表作が所収されている。

デュラスの「愛人 ラマン」、サガンの「悲しみよ こんにちは」は読んだことがあったが、「太平洋の防波堤」は初めて読んだ。デュラスの少女時代ということだが、ラマンにも通じる濃密なエロティシズムを感じた。

サガンの「悲しみよ こんにちは」は20年ぶりぐらいに読んだが、当時は全く面白くもなかったが、主人公の父親と同じぐらいの年齢になってみて、この小説の主人公は、語り部の少女ではなく、その喜劇的な、あるいは悲劇的な父親であることが分かる。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:単行本
この三作品に共通なのは、主人公の思春期における性の問題です。
でも、それぞれの作品のテーマは、必ずしもそれがメインではありません。

「太平洋の防波堤」
「愛人」とも共通するのですが、デュラスのインドシナでの体験を題材にした小説です。
ここでは、植民地での生活の夢が破れ、貧困にあえぐ家族を取り上げています。そのバックにあるのは、役人たちの「悪」です。
そこからくる「生活苦」は、母親を狂気の域に立たせ、子供たちはそこからの脱出を図ろうとします。
それを留まらせているのは、「家族」と言う絆です。
「運命」を象徴するかのような「太平洋」が印象的です。

「愛人」
こちらは、主人公が、母親からの自由(生活苦からの自由でもある)を、「愛人」を持つと言う形で得ようとしています。
この女性が主体性を持って自律的に問題に立ち向かっているように思えます。

どちらも、ラストが非常に印象的で素晴らしいものになっています。

「悲しみよ こんにちは」
余りにも有名なサガンの処女作です。
父親と少女そして愛人と言う非道徳的な親子の生活に、道徳的な女性アンヌが入ってくることによる、二つの価値観のぶつかり合いが描かれています。
それに、思春期の少女の反抗心や独占欲といったようなものが入り込み、悲劇を生みます。
少女の「性」と少女の「純粋さ」の描写が、いかにもと言う感じでバランス良く秀逸です。
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黄色い白人 2011/9/10
形式:単行本|Amazonが確認した購入
カンボジアの田んぼの泥沼でもがく白人家族の物語。ドロドロで貧しくて、打ちのめされていて、家族はめちゃくちゃで、こんなに華麗ではないフランス人、はじめて。宗主国が植民地の人間は搾取しているのが通例だけども、植民地にいる宗主国の人間も搾取されていたのだな。『太平洋の防波堤』と『愛人』、両方は作者マルグリット・デュラスの貧しい少女時代の物語である。扱っている現実は同じだけれども、その違いは、第三者視点で前者が書かれていて、後者は私小説とし書かれているということ。前者を書いた50年後に後者を書いているということ。それぞれ独立した作品として素晴らしいのだけれども、ぼくらにはさらにこの二つを比較するという贅沢な喜びがおまけである。前者では書けなかったことが後者では書かれていたり(それは書くと家族を傷つけることになったから)、前者は作家駆け出しの時に書かれたが、後者では作家生活50年で培った力を如何なく発揮していて筆の運びやその構成が恐ろしく自由闊達であったり、とこの二冊の間にデュラスの人間性や成長が大きく出ている。作品に加えてこの楽しみ。池澤夏樹の本当にすばらしいセレクトだと思う。

『悲しみよこんにちは』は、うーん、もっと若くして読むべきだったのかな、30代のおっさんでは感情移入できなかったなあ。ただ、その文才には舌を巻くけれども。サガンとか綿谷りさとか思春期の時に、文才がある人は少ないから若い作家は貴重なんだろうな。その若い心をすぐれた文章力で表現できるのだから。デュラスだけなら★5つだったけど、これがあったから★4つで。
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