私の学生時代は、よく「太宰は暗い」「太宰はただのナルシストだ」「太宰は読む価値なんてない」とよく言っている人が
多数いた。そんな中、自分自身はずっと太宰を読み続けた。何故なら皆が言うような暗さは、本当に表面的なことだと気づいた
からである。しかしそのことはずっと黙って数十年の月日が流れた。
生き方は共鳴できないし、したいとも思わないが、小説を見ていると、あまりに視点が鋭く、それをテーマにしている太宰の
文才には頭が下がるばかりである(「人間失格」の反対語を考えていく行為などは典型的な例)。各作品における感想などは追々
触れるとして、その「暗くない」太宰を是非この別冊太陽で感じとって欲しい。
実際にその暗い影ばかりではない太宰が見えてくる。
人間的に素晴らしいかどうかは、自分にはわからない。何故なら太宰の大作には頭が上がらないからだ。
一度青森に見に行きたいと真剣に思うようにもなった。