太地喜和子の恋人、太地喜和子と親交が深かった芸術家、俳優、監督etcが、いかに彼女の魅力に惹かれ、また彼女を愛していたかがわかるエピソードや証言が続く。
第三者形式で綴られた本書は、小説風でもある。
まず、太地喜和子の華麗な男性遍歴に圧倒された。
舞台、映画での脱ぎっぷりの良さと大胆さ、豪快な度胸に天性の女優魂を見た。
また酒豪であり、素顔はあっけらかんとして、性にあけっぴろげ、可愛くて魅力的な女性だったようだ。
巻末に参考文献が多く載っているが、そこから引用された、妻帯者だった三国連太郎との愛欲の日々が壮絶。
一人の女として女優として、エロスの源が育まれたようなエピソードが物凄い。
その他のエピソードも、太地喜和子と関わった人物が、一女優として惚れて、一人の女としても愛おしくなってしまうほどの、いい女っぷりが、読み手のこちら側にも充分伝わってきた。
共演男優との下ネタ連発の会話やエピソードには、読んでいてタジタジになってしまったほど。
亡きがらの顔が非常に美しかったそうだが、「いい時に亡くなった」「太地喜和子の齢を重ねた顔を見たくない」と関係者が口をそろえて言ったという。
一番美しくて仕事に脂がのっていた時に潔く、桜の花が散るがごとくこの世を去った、不世出の女優・太地喜和子。
艶やかな一人の女が燃え尽きるまでの数々の伝説に魅了されてしまった。
本書には出演した作品の写真が掲載されていない点が惜しい。
また、太地喜和子の人物像を語る上でどうしても欠かせなかったのだと思うのだが、下世話な色話と下ネタ話が多すぎて気になった。
その話の出どころが参考文献のどこからなのか、誰の証言によるものかがわからない等の理由で★3