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天魔ゆく空
 
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天魔ゆく空 [単行本]

真保 裕一
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

下克上の主犯かつ変人・細川政元を描き切る絶大なる権力を握る「半将軍」? あるいは妖術を操る希代の変人? 管領家当主として、才をもって時代を牛耳った男・細川政元を、新しい視点から描く歴史巨編。

内容(「BOOK」データベースより)

妖術を操り、空を飛び、女人を寄せつけず独身を通した“希代の変人”細川政元。応仁の乱後の混迷した時代に、知略を尽くして「半将軍」の座をつかみ取る。信長に先立つこと70年、よく似た人生を送り、戦国時代の幕を開けた武将の、真の姿とは?政元の姉・洞勝院と、室町幕府を守ろうとする日野富子。女たちの戦国時代も華々しく幕を開ける。

登録情報

  • 単行本: 462ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/4/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062169258
  • ISBN-13: 978-4062169257
  • 発売日: 2011/4/15
  • 商品の寸法: 19.4 x 14.2 x 3.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 120,145位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By INAVI トップ1000レビュアー
本作の筆頭登場人物である細川政元といえば、私にはカルト大河ドラマ「花の乱」の終盤で今井雅之さんが我が物顔で専横を極める悪辣非道ぶりが先ず頭に浮かびますが、多くの方には名前も時代もよく分からない人でしょう。
実際、本作の舞台となる15世紀後半、つまり、ポスト応仁の乱からメジャーな戦国大名登場までというのは、歴史小説どころか歴史そのものでもマイナーな印象は拭えません。

しかししかし、そんな時代と人物を、作者はモノの見事に、誰もが違和感なく読み進められる群像劇に仕上げています。それでいて、時代コスプレ的なものではなく、正統な歴史小説のテイストも充分備えているので、こんなマイナーな時代にも造詣深い方にも満足いただけること請け合いです。

さて、群像劇と敢えて書いたのは、本作が細川政元の単純なピカレスク・ロマンでも早過ぎた信長でもない描き方にあるからです(但し、巻末の著者挨拶にもあるとおり、政元を信長と重ねているのは確かで、終盤の天魔という言葉の連発や比叡山焼き討ち時の政元の発言には被せ過ぎと私には思えるが)。
本作は、政元に関わる多くの人々−父、姉、守り役、側近、敵対者、日野富子などから見た三人称を基本として、政元は彼ら彼女らから見た描写が多くを占めます。それ故、政元の何手も先を読んだ策略に読者までが翻弄されるというストーリーテリングの妙が味わえるだけでなく、政元の言葉のどれもが本心とは思えなくなります。最後に彼が何度も繰り返す言葉すら、本心なのか、それを持ってして尚隠すべき思いがあったのかと確たるところがありません。

彼は「真のもののふとして、民を守るため敢えて戦う」的な発言をします。それは、凡百の歴史小説で一般に悪役的な人を主人公にしたときの常套句ですが、本作では、それすら政元が本心を隠す能面の一つと読むべきでしょう。
バサラなんて月並みな言葉では寸分も語れぬ政元の生涯を読み切ってなお、彼の本心が奈辺にあったのかと余韻を味わえる素晴らしい仕上がりです。

そうそう、多くの登場人物の中で、最もメジャーな日野富子の描き方がステロでもキテレツでもなく、しかし、魅力ある人物となっているのが秀逸です。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
応仁の乱は、歴史の教科書では扱われるものの、実は意外にさらっと『下剋上のきっかけを作った』という言葉だけで語られ、その中身は実にややこしく、京の都のみでなく地方の局地戦まで含めれば凄いボリュームになり、とても教科書の一頁では語れない。まして応仁の乱が終結したあと暫くのことなど、なかなか詳しくは語られるものではなかったが、管領や守護の没落はここからが本格化し、織田、朝倉、毛利ら戦国の主役はこの没落大名に変わって生まれてきた者たちばかりだ。それだけに応仁の乱から信長時代の間は、新しい時代への間つなぎで軽く語られてしまい、その後は一大名に転落してしまった細川家がどういう権勢を誇っていたか、知る機会は少ない。この物語は、そうした歴史のブランクに入ってしまった応仁の乱後を描いてくれた。主人公の細川政元って誰?という人も、その父親の勝元が、石庭で有名な京都の龍安寺の創建に絡んでいることを思い出せるなら、俄然興味が湧くだろう。長編だが是非読んでほしい。
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