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天頂より少し下って
 
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天頂より少し下って [単行本]

川上 弘美
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商品の説明

内容説明

奇妙な味とやわらかな幸福感の恋愛小説集

<収録作品>
☆「一実ちゃんのこと」一実ちゃんは、「私、クローンだから」と言う。父がクローン研究に携わっていて、19年前亡くなった母を「母株」にして一実ちゃんは誕生したらしい。
☆「ユモレスク」17歳のハナのイイダアユムに対するコイゴコロは見事に破れた。「私、玉砕?」。
☆「エイコちゃんのしっぽ」「しっぽがあるんだ」とエイコちゃんは言った。エイコちゃんは女だけのガソリンスタンド、あたしは市場調査の会社で働いている。
☆「壁を登る」母はときどき「妙なもの」を連れてくる。最初はおばさんとその息子。次におじいさん。三番目に五朗が来た。「何者?」と聞いたら「わたしの弟」と母は言う。
☆「金と銀」治樹さんは泣き虫でのんびりしていた。彼とばったり出くわしたのは大学生のときだ。治樹さんは絵描きになっていた。
☆「夜のドライブ」40歳のわたしは、ある日、母を誘って車で温泉に出かけた。旅館に泊り、真夜中、母がわたしを呼んだ。「ねえ、夜のドライブに行きたいの」。
☆「天頂より少し下って」45歳の今まで、真琴は何人かの男と恋をした。今つきあっている10歳年下の涼は柔らかげな子だ。涼は真琴のことを「猛々しい」と言う。

内容(「BOOK」データベースより)

奇妙な味とユーモア、そしてやわらかな幸福感―川上マジックが冴えわたる、極上の恋愛小説全7篇。

登録情報

  • 単行本: 205ページ
  • 出版社: 小学館 (2011/5/23)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4093863040
  • ISBN-13: 978-4093863049
  • 発売日: 2011/5/23
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
恋愛短編集といっても『ざらざら』(マガジンハウス)とは、まったくちがった趣を感じさせる本著は、「一実ちゃんのこと」「ユモレスク」「金と銀」「エイコちゃんのしっぽ」「壁を登る」「夜のドライブ」「天頂より少し下って」の七篇で構成されたものである。不思議なことに、いずれも独特の切なさと愛おしさを感じさせ、さわやかな読後感に充たされる、という共通項がある。
ありふれた恋愛感覚とはやや異なるものもあるけれど、この作家の独特の文体といえばいいのか、確かに極上の恋愛小説として見事に成立している。だから、ひと言で恋愛といっても既成の観念にとらわれない自由な発想とその感覚世界を圧倒的な筆力でさらりとやってのけていることになる。この作家ならではの独特の世界、川上マジックの所以ともいえるだろう。
長編『夜の公園』(中央公論新社)では、その点やや無理を感じたけれど、本著ではさすがにこの作家の並々ならぬ底力と可能性にあらためて驚嘆する。

全部なんてかけて愛したら、相手に悪いもの。そんな重くて大きな思いを、恋愛をしているというだけの理由で相手に負わせるなんて、身勝手すぎるもの。ひっそりとひっそりと、真琴は、考えるのである。(天頂より少し下って)

川上文学の特徴のひとつとして感じとれるものにこのような行動規範のようなものがある。つまり、没頭的言動からの独特の距離感といえばいいのか、そのような感覚がありそうに思えるのだ。自由で刹那的で奔放な印象を受けるけれども、ひっそりとした心情に身をよせる時にあの共通項が確認できるのかもしれない。
この七篇で編集するセンスとブックデザインの美しさが心地いい。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By m1230
「ひらがな」が多いせいか、ゆるりと、のんびりと、ほんわかした雰囲気が漂っているのですが、
ストーリーは「おとな」なんですよ
でもって、心にくる衝撃というのも「ゆるり」なんですが、かなり強烈

「おとな」が楽しめる小説だと思います

じめじめの梅雨時期、こういう小説って、いいですよ
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瓦全なぼくら 2012/2/18
By くわもちじんぺい トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
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 「ユモレスク」の自称詩人ハナに語らせているが、「瓦全」なんて言葉は、どのワープロでも変換してくれない。
でも、どの辞書にもちゃんと載ってる。さすが文豪・川上である(最近ぼくは川上弘美の定冠詞として「文豪」をつけている)。
 この短編集は、『仲よし』の短編集である。恋愛などと小さなくくりで語ってはツマラナイ。
 それは母娘であったり、女子高生同士だったり、腹違いの弟と思わせといて実は他人だったりする。
でも私たち「仲よし」なんだもんねー。という、そういう小説である。
 面白いか?うーん、そういう価値基準で読むものではない。でも、読んでよかったよ。
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