インカ帝国ものといえば、世界遺産マチュピチュやクスコの遺跡紹介が多いのですが、この本は民族学者の視点から、当時の人々の生活にスポットをあてています。そして、ジャガイモに関する本をこれまでも出している著者の思いを垣間見ることができます。
天空都市と呼ばれるマチュピチュが本当は都市とは言えないこと、高地は私たちが思うよりも過ごしやすい場所であること、ジャガイモやトウモロコシなど食糧が豊富だったこと、主食がジャガイモであったこと、ジャガイモもトウモロコシも儀礼に深い関係があること、通常とは違ったものが神・信仰の対象となったこと、などが著者の意見を盛り込みながら紹介されています。
遺跡の魅力や特徴ではなく、生活のにおいのするインカ帝国の本は、これまでの同種の本とは違って面白いと思います。