この本は、天皇一家が生物学を研究するに至った経緯に対する推論を述べている.非常に面白く為になった。究極の上流階級である天皇家がこぞって、生物学に興味を持ち、研究し、論文を書かれるのは一日本国民として、とても嬉しい。ただ、この本で一点、明白な誤りがある。それは寒天培地に関する事である.寒天培地を考案というか提案したのはコッホの夫人では無い。ワルター・ヘッセの夫人である。参考(”Robert Koch”(T.D. Brock著、ASM Press, 1999)と、”The introduction of agar-agar into bacteriology”(A. P. Hitchens & M.C. Leikind: Journal of Bacteriology 37, 485-493, 1939)著者に間違いを正すことを提案したい。話としてはコッホ夫人が寒天を提案したとした方が、面白いが、間違いは間違いである。
しかし、それは、この本の主題ではない。主題の「天皇一家が生物学研究にいたる理由」、それは本当に面白かった。