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天皇はなぜ生き残ったか (新潮新書)
 
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天皇はなぜ生き残ったか (新潮新書) [新書]

本郷 和人
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

平家から維新までの約七〇〇年間、天皇は武士に権力を奪われていた。しかし、将軍職や位階を授ける天皇は権威として君臨した―。このしばしば語られる天皇像は虚像でしかない。歴史を直視すれば、権力も権威もなかったことはあきらかだ。それでも天皇は生き残った。すべてを武士にはぎ取られた後に残った「天皇の芯」とは何か。これまで顧みられることの少なかった王権の本質を問う、歴史観が覆る画期的天皇論。

出版社からのコメント

武士によって権力も権威もはぎ取られた後、
かろうじて残った「天皇の芯」とは何か?

知的興奮に満ちた、天皇論の新たな地平を拓く注目作!

登録情報

  • 新書: 223ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/04)
  • ISBN-10: 4106103125
  • ISBN-13: 978-4106103124
  • 発売日: 2009/04
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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38 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本書は東京大学准教授であり、中世史を専門とする著者が

律令体制が揺らぎ始めた平安末期を起点に

時代の推移とともに、天皇の地位にどのような変化が生じたのかを

実証的かつ論理的に論じる意欲作。

律令などの文言や抽象的な概念を重視せず

日記や行政文書などから伝わる実体を元に議論を展開するので、

専門的な内容ながらも理解が容易にできます。

また、権門体制論や「後醍醐=異形の天皇」論など著名な先行理論を

バッサバッサと論破していくのも見所。

権門体制論などに乗り切れなかった方は必読です。

個人的に興味深かったのは、

6章で語られる九条道家の治世や皇統の並立―

ほとんど勉強してない時代だったので、

時間のあるときに、論文等を読んでみようと思いました。

位階や行政文書に関する記述にページを割きすぎたためか

室町後半以降の記述が駆け足だったり

参考文献などが上げられていないことは残念に感じましたが

知的興奮に満ちた本書。

迷信や感情に流されることなく

論理的に歴史を見つめたい方に強くおススメです。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
天皇の闘争 2012/1/29
形式:新書|Amazonが確認した購入
我々が普段疑問に思う、何故あれほど無力であった天皇、朝廷が、
弱肉強食の戦乱の世、或いは武家が上から目線で諸法度を出しまくる世を
いかにして威厳を保ちつつ、しぶとく生き残り続けることができたのか。

その素朴な問いに対して、全てでは到底ありえない。
が、かなりの部分、素人にもわかりやすく答えてくれるもの、
そういう期待を持って本を手にしたのであったが。

かなりよく踏み込んで解説というか、著者の考えを述べてくれる。

鎌倉幕府、特に承久の変、後鳥羽上皇の治世に起こった戦乱で、
ほぼ世俗的権力を喪失して行く過程、更に南北朝の混沌とした世の動き、
更には足利家の内紛、なかなか理解しにくい世の移ろいも手際良く
説明してくれる。
天皇制の持つパワーの源泉、それが律令に基づく行政、集税、訴訟処理、
というソフトであった、知の集積であった、
ユニークでもあり、また今後検討してみるべき主題であると思った。

反面、律令制の難解煩雑さの具体的説明不足、或いは南朝が消滅していく過程などは
曖昧さが残り、やや不満も覚える。

素人にもわかりやすい本であり、買ってよかった、と思わせてくれる。
このレビューは参考になりましたか?
40 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Zaan
形式:新書
中世・近世において、天皇は、権力を武士に奪われたが、
権威としては残ったという説は間違っている。
ただ、文化・情報の体現者として、かろうじて生き残った。
様々なものを喪い、剥ぎ取られ、最後に残ったものが、
本質であるとするならば、文化・情報の体現者というのが、
天皇制の本質である。

著者の主張を要約すると、上記のとおりとなると思います。
読んでいて、結構、楽しめました。
ただ、新書という制約ゆえか、不満な点もあります。
一つは、最後には、文化・情報の体現者としてだけの存在となった
天皇が、実際には、どのような活動をしていたのかの説明が足りないこと。
もう一つは、その状態から復権したこととの関連で、文化・情報の体現者と
いう立場の社会的位置づけ、復権が必然であったのか、偶然にすぎなかったのかの
分析が足りないように思えることです。

激しい浮き沈みを経験しながら、滅びない、粘り強い復元力を有していることが、
他国の王制と比較した場合の天皇制の特徴であると思います。
天皇は、中世・近世において、権力ばかりではなく、権威も喪っていた、
文化・情報の体現者としてのみかろうじて生き延びたという説明だけでは、
満足できません。

ただ、この著者の今後の活躍に期待したい気はしました。
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