肖像の「下付」が上からの強制を伴いながら、下からの自発的な希求という
形態をとっていくという巧みな流通方法をとっていたことを、当時の「家父
長制」とむすびついてゆく天皇制の浸透過程とオーバラップさせて解き起こして
行く。
「見えるもの」の「見えないもの」の二分法、さらにその「見えないもの」
が「見えるもの」と「見えないもの」へ分節されてゆく…、そうした、どこ
をきっても上位・下位が相同的に反復していく階梯の中に「天皇制」の強固
な浸透の基盤をみている。
いささか「記号論」すぎて、そうかな?というところもあるが。具体的なも
のに表象された制度性を解き起こしての展開は読んであきることがなかった。
しかし、何故新書を廃して高い現代文庫に?